強風に強い唐人凧をあげる保存会のメンバー=4日、袖ケ浦市

 5日の端午の節句を前に、上総地域の伝統的な凧(たこ)が一堂に会するイベント「かずさの国 凧あげフェスタ2018」が4日、袖ケ浦市南袖の袖ケ浦海浜公園で初開催された。地域によって特徴の異なる多彩な凧が大空に舞い上がり、来場した親子が昔ながらの遊びを楽しんだ。

 凧あげは正月の遊びだけでなく、古くから子どもの成長を願って端午の節句にも行われる。県内では特に上総地域にこの風習が顕著だが、近年は失われつつあり、伝統文化を後世に残そうと各地の凧保存会や県教委で作る実行委がイベントを主催した。

 実行委によると、県内には、漁師が大漁祝いで作った着物「万祝」を元にしたとされる「袖凧」(長生や夷隅地域)、オランダから伝わった「バラモン凧」にルーツがあるともいわれる「唐人凧」(富津や君津市周辺)、長方形の「角凧」(市原や袖ケ浦市周辺)という3種類の伝統的な凧がある。特に袖凧と唐人凧は、ほかの地域では見られない独特の形という。

 会場では、各地の保存会がそれぞれの特徴を説明しながら凧あげを実演。強風にあおられる難しい条件の中、イベントのために作られた袖凧(縦約3メートル、横約2メートル40センチ)が大空に舞い上がると、来場者からは拍手が上がった。

 日本の凧の会千葉県支部の支部長で上総本納凧保存会の理事も務める芳野一良・実行委員長(71)は「伝統を絶やさないで守っていきたい」と意欲。本納地区では現在も男児の初節句の際に子どもの名前を書いた凧を贈る風習が残るといい、「男の子が天に張り付くように成長してほしいという願いを込めてあげる。あがり具合で将来を占う所もある」と説明した。

 来場した子どもたちは、保存会メンバーの指導の下ミニ凧あげに挑戦。東金市から家族で訪れた安井悠太君(10)は「こんなに広い公園であげるのは初めて。難しいけど楽しい」と喜んだ。
 木更津市から夫婦で訪れた横塚善吉さん(68)は「すごく迫力があった。いろいろな種類の凧が見られて良かった」と笑顔で話した。

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