子どもたちのメッセージを記したプランターの前で黙とうし被災地の空に風船を飛ばす市民の集い参加者たち=11日午後、旭市

 死者・行方不明者が関連死を含め2万人を超える東日本大震災は11日、発生から7年を迎えた。津波などで14人が死亡、2人が行方不明となり千葉県内最大の犠牲者が出た旭市では、追悼式や市民による「3・11を継承する集い」で遺族や住民が鎮魂の祈りをささげた。会場周辺をカラフルな花で彩ったのが県立旭農業高校(同市)の生徒たち。震災の記憶を受け継いでいこうと、プランターには市内の小中学生にメッセージを寄せてもらった。「がんばれ旭!」「希望の花を咲かせよう」-

 追悼式会場入口にあるコミュニティーガーデンでは同日、来訪者が同校生徒から教わりながらビオラの苗を植えた。同市の伊藤啓子さん(59)もその1人。

 震災当時、実家が津波で浸水したという伊藤さんは「当時は埼玉県に住んでいて、実家にいた母親と弟の無事が確認できるまで不安だった」。その後、同市に移住。「忘れられてしまうことが一番怖い。地域からだんだん人が減ってさみしいけれど、生きていかなければ」と前を見据えた。

 植栽のボランティアに取り組んだいずれも同校1年の鈴木夏希さん(16)と篠塚奈那さん(16)は「地域の方々との触れ合いは勉強になる」と話した。

 市民の集いは、市民団体「花と緑で旭を元気にするプロジェクト協議会」と「いいおか津波を語り継ぐ会」が実行委員会を組織して開催。来場者らは地震が起きた午後2時46分と、同市に最大の津波が押し寄せたとされる午後5時25分すぎの2回、黙とう。震災の記憶を忘れないと誓い、風船を一斉に放った。

     ◇   ◇

 両会場周辺のプランターには事前に、同市内の小中学生たちがメッセージを寄せた。復興への願いを書き込んだ市立中央小学校5年、後遠田るみさん(11)は「ボランティア活動の大切さを改めて感じた」。小倉海稔君(11)は「旭市が被災地だと多くの人に知ってほしい」と力を込めた。

◆県市合同追悼式に230人

東日本大震災が発生した午後2時46分に合わせ黙とうする遺族ら=11日、旭市のいいおかユートピアセンター

 千葉県と旭市による合同追悼式が11日、同市飯岡地区の「いいおかユートピアセンター」で開かれ、津波犠牲者の遺族を含む233人が参列した。

 追悼式で森田健作知事は「最愛の家族や親族、友人を突然失われた方々の気持ちを思うと、深い悲しみの念に堪えない。災害に強い県づくりを目指したい」と改めて決意を表明。同市の明智忠直市長は「全国の支援に感謝の気持ちを忘れずに、このまちの発展に尽くしていくことが私たちの使命」と述べた。

 地元の「あさひ少年少女合唱団」は童謡「故郷(ふるさと)」などを献歌。参列者は祭壇に花を手向けて犠牲者をしのんだ。

 父親の松本勲男さん=当時(72)=を津波で亡くした松本貴之さん(48)は「またこの時期かという思い。自然の前で人間は無力。父にはこれからも見守っていてと言いたい」と語った。

 同市の重蔵寺では慰霊法要が行われ遺族11人が参列。夫の宮内晴美さん=当時(66)=を亡くした同市の宮内三代子さん(67)は「7年、早いものだなと思う。あっという間」と言葉少なに会場を後にした。

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