隣合う藤井堰と合わせて、高谷堰と呼ばれているここは公園として整備されています。
この日は大きな音をたててラジコンボートを練習している人がいました。

野里の堰の前の井戸

この堰の入口付近で、無尽蔵に流れ続けているこの自噴井戸、水はダイレクトに田んぼへと流れていきますが、以前はコップが置いてあって、誰もが気軽に喉を潤すことができました。この日はコップはなかったのですが、手ですくって飲んでみると冷たくてクセのない、柔らかな飲み口。ここは鶴岡一族が掘ったものではないそうですが、昭和30年代に掘削とのこと。

最後に、野里の堰から田んぼの奥へ入っていくと小さな祠と鳥居、こんもりとした屋敷林が見えてきます。住所としては野里でなく三箇になるのですが、須佐之男命(スサノオノミコト)を祀っている八坂神社(と書いてスワジンジャと読むそうです)。

この鳥居のそばに、袖ケ浦市が立てた上総掘りの看板が立っています。

八坂神社のそばの井戸

この看板を背負っているのが、農業用に掘られたこの井戸なのですが…残念ながら草に埋もれてわかりにくい!
さらに、水を受ける部分に藻がびっしり茂っています。が、しっかり自噴していました。

ここは昭和20年代に鶴岡先生が掘ったものだそうです。
こういう形状の井戸を、田んぼの端に掘って農業用に使うというのが、まさしく上総掘りのスタンダードだったといわれています。

花の野里の自噴井戸は深さ50m

稲刈り後の田んぼが拡がり、豊かな田園地帯となっている野里ですが、かつては「〇〇に嫁にやるくらいなら、花の野里で乞食でもした方がいい」などという慣例句があったそうです。
「〇〇」には米などの作高が少なく、農家は貧しく、嫁いでも苦労すると言われた地名がいくつか入ります。上総掘りが発祥した上総地域には、その特有の地形・河岸段丘で崖状となった深いところを川が流れ、生活用水の調達に苦しんできたという歴史背景があります。そんな時代でも、野里には役場など公共施設が多く、周辺地域から人が集まる賑やかな場所だったのだそうです。ちなみにこの日、歩いた野里周辺ではほとんどの井戸が深さ50m前後で自噴しています。

駆け足で巡った自噴井戸見学でしたが、最近メンバーに加わった新入会員3人には興味深いひとときとなったはず。何より掘った本人と一緒に現役井戸を廻れるのは非常に貴重な体験です。地下の帯水層に思いを馳せながら、次回からは再びそではく現場の挽回作業にトライしましょう!
頑張れ、上総掘り技術伝承研究会!

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上総掘りチャンネル

袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
見学やお問い合わせはetofumiya●r8.dion.ne.jpまで。
※●は@(アットマーク)

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