よそで深~く、水以外のものを掘るのに大活躍した上総掘りの技術!

平成18年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」。
県内では6つの文化財指定がありますが、民俗技術での指定はそのうち2つだけ。
「上総掘りの技術」は上総掘り技術伝承研究会(事務局・袖ケ浦市)が、そして「木積(きづみ)の藤箕(ふじみ)製作技術」では木積箕づくり保存会(匝瑳市)が、それぞれ技術保持団体として指定されています。

手掘りの深井戸掘り工法として、上総掘りが県内の上総地域(現在の君津市、木更津市、袖ケ浦市、市原市など)で発祥・発展したのは読んで字のごとくですが、かつて職人たちが県外へ足を伸ばし、その技術を伝え活用していた記録が残っています。

新津油田/上総掘りで石油掘削が行われていた!@新潟県新潟市

2012年に「日本の地質百選」に認定された新津油田(新潟県新潟市秋葉区)では、1893(明治26)年頃から上総掘りによる採油が行われるようになり、やがて工業化が進んで機械掘りの時代を迎え、ピーク時(1917(大正6)年)には年産12万㎘を産出して産油量日本一に。残念ながらその後は産油量が減少し、(平成8)年で採掘が終了しています。

上総掘りの足場を組んで井戸を掘削していると「石油が出ないかねえ」などと冗談を言う方がいますが、実際に上総掘りの技術が油田で活かされていたことはあまり知られていません。

八橋油田/上総掘りで油田発見!大噴油!@秋田県秋田市

小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)」によれば、「1935年(昭和10)秋田県八橋(やばせ)油田で上総掘りで掘った坑井が深度203メートルで油層にあたり、大噴油をおこし、日本最大の油田である八橋油田発見の端緒となった。」というから驚きます。

上総掘りの掘削中に「ある日、石油が噴き出してきたりしてね!」などとアラブの石油王になれる的な妄想を膨らませる方が時々いますが、実際に出てきたら大事故です(汗)。ボランティアの手仕事ではとても対処できません…。

次回は温泉掘削で上総掘りが活躍した様子をご紹介します!

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次回の活動は4月2日(日)、袖ケ浦市郷土博物館で行います。見学希望の際は必ず事前にご一報下さい。


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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
見学やお問い合わせはetofumiya●r8.dion.ne.jpまで。
※●は@(アットマーク)

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