写真を撮っております。津乗健太と申します。
作家というもの、自分の作品についての説明や、コンセプトなどきちんと
言葉で説明できないといけません!
この作品で、何を表現したいのか。
何となく・・・ではダメなのです!
何となく面白そう。何となくいいと思った。ではダメなのです。

7月31日〜8月5日と船橋市民ギャラリーで開催しました
「人情船橋競馬場厩舎ネコ物語」写真展なのですが、僕は
何となく面白そうだと思いまして、写真を低い位置に展示しました。

小さい子供にも楽しんでもらおうかと思って、と言ってはみたものの
しっくりこないものがありましたが、何となく低い位置の展示を
試してみたい衝動がありました。
基準にしたのは身長1メートルほどの、もう直ぐ3歳になる息子が、精一杯、手を伸ばして届くところでした。
身長1メートル77センチの僕の、みぞおち辺りに額縁の下端がくるように展示しました。

いざ展示をしてみると、妙にしっくりくる感じがありました。低めの展示だと
覗き込むようにして見るようになるので、その見方が僕の写真に合うような感じがしました。
それとは別で、写真集には使われていない最近、撮影した写真を足元近くに
展示というか貼り付けました。やはりメインは写真集に使われている写真ですから、単純に写真集に使われている写真との住み分けという意味と、小さい子供が喜ぶかなという考えでした。

ところが・・・怒っていかれる方が4人おられました。
「見るのを拒否しているように感じました。以上!」と言って出ていかれる方。
「これじゃ低いわよ〜。普通は、もうちょっと高いところなのよ。このくらい。」と手で高さを示していく方。
「いや〜見にくい!なんだよこれ。下の写真なんか見る気が起こらないよ!」
写真を見ている間、ずっと大きな声で文句を言っているご夫婦。

もしも写真が低いと怒っておられるのがアンドレ・ザジャイアントならば、僕は
すぐにスタッフに応援をお願いして、2メートルの位置に展示しなおしたかもしれません。「人間山脈」「一人民族大移動」身長2メートル23センチのアンドレ・ザジャイアントにとっては低すぎる展示でした。
僕が気になったのは、怒っておられたのは皆さん1メートル6〜70センチくらいの、大きくも小さくもない方でした。
1メートル80センチくらいの大きな方も、2人来られましたが覗き込むようにして見てくれて、楽しんでくれていたと思います。

きっと、アンドレ・ザジャイアントは怒らないと思います。なぜならば、自分が大きすぎるということを、わかっているから。1メートル80センチくらいの方も、自分が普通よりもちょっと大きいという意識があるのだと思います。自分を基準に、物事を判断しないと思います。
それとは逆に、今回の展示がちょうどよかったと言ってくれる方もおられました。そして・・・
最終日に来てくださった、電動車椅子のおばちゃん。
ぐるっと1周、ニコニコしながら僕の写真を見て行ってくれました。
低めの展示と言いましても、車椅子の方にとっては少し高い位置だったかもしれません。だけど、いわゆる普通の高さの展示だと、車椅子の方にとっては高すぎると思います。それでも車椅子の方は、「高すぎるわよ!」と怒らないと思います。

何かと、平和について考えさせられる8月なのですが、戦争って、こういうところから始まっているのかもしれないなぁと思ったわけでした。それともう一つ!
きちんと、自分の考えを説明して、自分のことを、わかってもらうということ。僕が、きちんと説明できなかったばっかりに、展示方法にばかり目がいって、写真の方に目がいかなかった方が何人かおられたのは残念なことでした。きちんと説明することで、戦争が防げるのかもしれません。なんとなくの衝動も、大事にしないといけないですけど、きちんと説明できるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。




津乗健太

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写真撮ってます。津乗健太です。日常、目にするなんでもない風景や出来事というものを写真にするのは、とても難しいことなんですが、写真を撮ろうと思ってカメラを持って日常を暮らすと、なんでもない日常が少し楽しいです。そうして撮った写真で千葉のことが発信できればと思ってます。写真見てください。

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