2014年に撮影された「千葉城さくら祭り」の光景。かつては千葉城が覆い隠されるほど桜の枝が伸びていた(市観光協会提供)

 亥鼻公園(千葉市中央区)の桜がピンチだ。原因は桜の“高齢化”。全盛期は満開の桜で空が見えないほどだったという同公園だが、今はめっきり花が減り、寂しくなった枝ぶりに関係者はため息を漏らす。千葉開府900年の2026年を目途に往時の姿を取り戻そうと、民間が植樹に向けた基金を設立したが、PR不足で思うように資金が集まっていない。県都のシンボル・千葉城を有する市内屈指の花見の名所をよみがえらせることができるのか-。(千葉市政部・加藤 優)

 園内には天守を模した市立郷土博物館(千葉城)があり、約100本の桜が城を彩る趣ある眺望が人気。日本文化の象徴を一度に見られ、インスタ映えする貴重なスポットとして外国人観光客の姿も増えてきた。毎年「千葉城さくら祭り」が開かれており、今年も予定。しかし、主役の桜が勢いを失いつつある。

 原因は桜の高齢化だ。市観光協会によると、同公園にソメイヨシノが植樹されたのは千葉開府800年の石碑が建てられた1929年ごろ。約90年が経過し、一部の木は樹皮が傷んだり、枝が枯れたりし始め、花の減少が目立ち始めた。花が付いている枝でも、市が来場者の安全確保のため伐採するケースがあり、寂しさに拍車をかけている。

 同祭りの関係者からは「桜の枝ぶりが寂しい」との嘆き節に加え「祭りを盛り上げるために、もっと本数がほしい」との要望も。市も手をこまねいていたわけではないが、これまでに植樹した桜はわずか2本。市中央・稲毛公園緑地事務所によると、1本当たり数万円から10万円以上という費用がネックになっている。

 同公園の桜の最盛期は約15年前。同協会の木村雅英事務局長(56)は「かつては満開の桜で空も見えなかったほど。博物館5階の展望室から見下ろせば、桜のじゅうたんが広がっていた」と懐かしむ。

 そんな光景を取り戻そうと、同祭りの実行委員会は2016年に「千葉城さくら植樹基金」を設立。同祭りや千葉城内の募金箱で寄付を募ってきた。しかし、PR不足は否めず、「思うように集まっていない」(同協会)のが現状。実行委は会員の千葉商工会議所や市中央地区商店街協議会に呼び掛け、今年から募金集めを本格化することを決めた。市民からの寄付も歓迎する。

 完全復活の目標年は同公園にも深く関連する26年。約8年をかけて市に桜を寄贈し、徐々に植樹や植え替えを進める予定を組む。千葉開府900年の記念すべき年には「桜のじゅうたん」を来場者にお披露目したいという。

 実行委は毎年同祭りに合わせて、街中を散策して同公園へ向かう観光コースを提案。同協会は「満開の桜は中心街の活性化にもつながる。寄付はほんの気持ちだけでもありがたい。千葉が誇る桜の名所を次世代に残して」と協力を求めている。

◆亥鼻公園 かつて千葉氏が居館を構えたとされる“千葉市発祥の地”。戦前からあった千葉3大公園の一つで、1959年に面積約1万平方メートルの歴史公園として整備され、現在の形になった。市観光協会などでつくる実行委員会が「千葉城さくら祭り」を開催しており、毎年市内外から6万人前後が訪れる。市が管理している。

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