はじめまして! 「見る、知る、伝える千葉 創作狂言」プロジェクトの学生広報班・石田です。このチャンネルでは、私たちがやっている創作狂言プロジェクトとその活動などについて、学生目線で紹介していく予定です。

 それにしても……我々、『見る、知る、伝える千葉 創作狂言チャンネル』と名乗ってみてはいますが、

「見る、知る、伝える千葉……って一体なんのこと?」
「創作狂言ってなにが創作なの?」
「というかチャンネル名長くない?」

などのつぶやきが聞こえてきそうな気がしてなりません……。とても心配です……。

 ですが決して怪しい団体ではないのです。むしろとっても文化的で画期的なプロジェクトなのです!
 なにせこの「創作狂言」は、狂言師・俳優・学生・教授・市民……あらゆる人たちがかかわって成立している、唯一無二の作品なのですから!

 ということで、今日は私たちの活動について、そして創作狂言公演「里見八犬伝 其ノ弐」について、ちょいと詳しくお話しさせてくださいませ。

「ピカーイ! ガラガラガラガラ……」

ポーズを決める犬塚信乃(右)と犬飼現八(左)

ポーズを決める犬塚信乃(右)と犬飼現八(左)

実は二人とも千葉大生!

 11月16日午後6時30分――サラリーマンや学生が帰路につきはじめたころ、千葉県文化会館では創作狂言「里見八犬伝 其ノ弐」関係者によるワークショップが始まりました。
 参加者は公演の出演者と裏方の人たち、総勢50人ほど。和泉流狂言師の小笠原匡先生、俳優の加藤充華さん、青山郁彦さん、千葉県民有志、そして授業を終えたばかりの千葉大生……年齢も職業も出身地もバラバラの面々です。

 この日は主要メンバーが全員そろって行われた初めての稽古。各々が個人的に練習してきた成果が、ひとつの形になってあらわれます。
 物語終盤、出演者のほとんどが登場するシーンでは、色とりどりの衣装をまとった県民参加の方々が、「ピカーイ!」という叫びが特徴的な狂言の謡「雷」を披露していました。本番さながらの風景に、小笠原先生の指導も自ずと熱が入ります。

「雷」を披露する県民参加の方々

「雷」を披露する県民参加の方々

「見る、知る、伝える千葉」

 創作狂言「里見八犬伝 其ノ弐」は、一昨年の「里見八犬伝 其ノ零」、昨年の「里見八犬伝 其ノ壱」の流れを引き継いで行われる、いわばシリーズものの公演です。来年は「里見八犬伝 其ノ参」を上演予定。この先も続けて行く予定のプロジェクトなんです。

犬塚信乃@「里見八犬伝 其ノ壱」

犬塚信乃@「里見八犬伝 其ノ壱」

信乃の衣装は今年の「里見八犬伝 其ノ弐」でも同じものを使用します。
着物の絵付けは手作業でなされたとか……

 これらの創作狂言公演を運営しているのが、千葉大学・千葉県文化振興財団・NPO法人フォーエヴァーの三者によるプロジェクト「見る、知る、伝える千葉」です。初回公演は平成17年。今回の「里見八犬伝 其ノ弐」はなんと14回目の公演になるとか……!


古き伝統から新しい世界をつくる

 「見る、知る、伝える千葉」プロジェクトでは、千葉県ゆかりの伝承や物語を題材に舞台をつくってきました。初回公演の題材は千葉市に伝わる「千葉笑い」。その後、羽衣伝承(千葉市)、鬼来迎(横芝光町)、ヤマトタケル伝承、八幡の藪しらず(市川市)と続き、そして現在の里見八犬伝に至ります。

“古くから千葉に伝わる、けれども若い世代を中心に忘れられつつある物語を、狂言という古典芸能を通して、新たな形に創り上げていく”

 これが私たちがやろうとしている創作狂言です。

昨年の公演「里見八犬伝 其ノ壱」の様子

昨年の公演「里見八犬伝 其ノ壱」の様子

物見やぐらである芳流閣の上で信乃と現八が戦っているシーン。
中央で十手(細長い武器)を持っているのが現八、その右側で刀を振り下ろしているのが信乃。

 この創作狂言シリーズの特徴である「狂言性」と「創作性」を、今作の「里見八犬伝 其ノ弐」を例にとって紹介します。

 まずは「狂言性」について……
 あくまで創作狂言ですので、「里見八犬伝 其ノ弐」でも、作中のあちこちに狂言の要素が散りばめられています。例えば、先ほど紹介した謡の「雷」は、場の空気を一変させる役割を担っています。また、演者の所作や表現方法もあくまで狂言を踏襲したもので、現代演劇とは異なっています。

「里見八犬伝 其ノ弐」公演チラシの一部

「里見八犬伝 其ノ弐」公演チラシの一部

左上の『「勧善懲悪」って何だ。』は、「里見八犬伝」シリーズを通してのキャッチコピーです。
ちなみにこのデザインを手がけたのは千葉大生!

 それから「創作性」について……この大胆さもシリーズ通しての魅力となっています。

 「里見八犬伝 其ノ弐」の物語の筋は里見八犬伝ではありますが、登場するキャラクターたちは、多くの人が抱いているだろう従来の人物像とはまるで違います。簡単に言うと、この作品内での八犬士はただのヒーローではないのです。それどころか、「えっ!?」と驚いてしまう言動が多々見られるかと……。

 それはどうしてか? なぜなら、この作品は『「勧善懲悪」って何だ。』がテーマに創作された、新しい八犬伝だから。

 「勧善懲悪」の世界観は、八犬伝はもとより、現代でも時代劇やヒーローものなどから見出せますが、この言葉の基準って案外あいまいだったりしませんか?

 “何をもって善となし何によって悪を懲らしめるのか”

 これが創作狂言「里見八犬伝」シリーズ通しての問いかけなんです。

一般市民も舞台に上がる!

ワークショップの様子

ワークショップの様子

狂言のワークショップなので、皆さん和装に正座です……!

 そして、このプロジェクトの一番の特色が、公演をつくりあげる主体者の多様性。プロの狂言師や古典・民話の専門家だけではなく、一般の千葉大生や県民も参加して「里見八犬伝 其ノ弐」は成立しているのです。

 出演者も、小笠原先生や加藤さん、青山さんなどのプロの役者に限りません。先程「雷」を県民参加の方が披露している様子を紹介しましたが、彼らもまたれっきとした出演者です。

 「県民参加」の人たちとは、千葉県文化振興財団が主催する狂言体験講座の参加者約15名のこと。狂言体験講座は毎年実施されており、小学生以上なら誰でも応募できます。今年も年配の方から小学生まで幅広い年代の人たちが参加しています。

県民参加のみなさん

県民参加のみなさん

当日はお面を被って演技するそうな……

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見る、知る、伝える千葉 創作狂言チャンネル

「今年の題材は里見八犬伝!」

千葉大学×千葉県文化振興財団×NPO法人による創作狂言プロジェクト「見る、知る、伝える千葉〜創作狂言〜」
平成17年度から毎年冬に、千葉県に伝わる昔話や伝承などをモチーフとした創作狂言の公演を行っています。
このチャンネルでは、千葉大学の学生広報班がプロジェクトの概要や公演までの準備の様子などについて発信していきます!

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