浦安市郷土博物館に展示されたべか舟=3月18日、浦安市猫実

山本周五郎の代表作の一つ「青べか物語」の舞台となった浦安市境川の周辺を散策する会が18日に開かれ、千葉日報に「房総の作家」を連載する作家、中谷順子さんが、漁師町・浦安を案内しました。

山本周五郎ゆかりの地、浦安で解説をする中谷順子さん=3月18日

青べか物語は、山本周五郎が昭和の初めに約1年半にわり滞在した経験をもとに、当時の浦安の風俗や人間模様を描いた約30の短編をまとめた小説です。

青べかの「べか」とは小さな舟のことで、物語の中では青いペンキで塗られていることから、その名がつけられています。周五郎は1929年秋に東京へ移転し、1960年にこの物語を発表しました。

中谷さんによると、周五郎の浦安時代は不遇で、だからこそ覚えていることが多く、懐かしい場所であったのではないかと話しました。

また、周五郎が住み込みをした「吉野家」の三男が、あっけらかんと兄弟姉妹で母親がみな違うことを話す場面に着目し、青べか物語は、母親がいなくても子どもたちを支え、引けを取らない大人へと育てる人情味あふれる浦安を描き出していると読み解き、参加者らに語りました。

参加者は、中谷さんの解説に耳を傾けながら、さま変わりした風景の中、当時の面影をたどりました。

見学した見所を紹介

山本周五郎が住み込みをした「吉野家」=3月18日、浦安市猫実

◆「吉野家」
山本周五郎は1928年8月、25歳の時に蒸気船の発着所・吉野家の2階に住み始めました。現在は発着所はなく、吉野家では釣り具などを販売しています。

山本周五郎が「蒸気河岸の先生」と呼ばれる所以となった「蒸気河岸」の場所=3月18日、浦安市猫実

◆「蒸気河岸」
蒸気船の発着所だった場所。山本周五郎はこの近くに住んでいたため、「蒸気河岸の先生」と呼ばれていました。

「青べか物語」の舞台となった境川=3月18日、浦安市堀江

◆境川
境川沿いを散策しました。「青べか物語」で登場する料理屋「ごったくや」の女性らが客寄せで水浴びをしていたそうです。

漁師町浦安のシンボル「大松」のあった場所=3月18日、浦安市堀江

◆大松の跡地
青べか物語の中で「三本松」という名で登場する場所には、漁師町浦安のシンボル的な名木「大松」があったそうです。浦安市教育委員会の立て看板によると、1942年に枯れたと書かれています。

「東の小屋」として登場する場所は現在、「東水門」がある=3月18日、浦安市堀江

◆東水門
青べか物語の中で「東の小屋」や「海苔漉き小屋」として登場する場所は現在、「東水門」があります。

浦安市郷土博物館に再現された天ぷら屋「天鉄」=3月18日、浦安市猫実

◆浦安市郷土博物館
昭和27年頃の浦安を再現したコーナーがあり、周五郎が友人にご馳走をした天ぷら屋「天鉄」や、べか舟、海苔漉き小屋、たばこ屋などが展示されています。関連する資料も多く展示されていました。

一行はこれらのほか、浦安市有形文化財の旧宇田川家(浦安市堀江)や、千葉県指定有形文化財の旧大塚家住宅(浦安市堀江)、豊受神社の境内にある大銀杏(浦安市猫実)なども見学しました。

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