「上総掘りの技術」は国の重要無形民俗文化財(民俗技術分野で第1号)に指定されています。

2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。
その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡

重文指定の証書を受け取るために、東京は九段下の如水会館までメンバーのみんなで駆けつけたのは12年前の春のこと。
当時の河合文化庁長官から鶴岡先生が証書を手渡され、慣れないスーツ姿で記念の集合写真におさまった晴れの日の記憶は今も鮮明に残っています。

そしてこちらが、その年の夏に掘削し始めた椎の森工業団地内の現場で、足場建て竣工の記念写真。みんな若い(笑)!

ちなみにこちらが指定証書。

ぶっちゃけ、その後の活動は順調?というありがたい聞き取り調査♡

3月11日、会の活動拠点である袖ケ浦市郷土博物館に、文化庁の文化財調査官と千葉県教育庁文化財課の職員の方が視察に訪れました。
指定後10年あまりが経過し、実際に会員がどう活動しているかを教えてほしい、何か困っていることがあれば相談してほしい、という趣旨で、鶴岡先生ら会員代表と博物館職員をまじえて、懇談の席が設けられました。

というのも、全国に文化財指定を受けた団体は数々あれど、伝統芸能などは定期的に技を公開する機会もあり、協議会などでの交流が活発なのに比べて、民俗技術の場合はなかなか発表の場も少なく、メンバーがよほどの強い意志を持って活動しないと継続が難しく、現在20数件に増えてはいても、指定後に活動が続かない団体も存在しているとのこと。
そういった技術伝承の難しさも含めて、上総掘りにおいて実際に活動しているメンバーの意見を聞きたい、という実に実にありがたいお申し出を文化庁からいただいたのでした。

懇談では、この12年間の会の活動や袖ケ浦市からの予算の変遷を振り返り、いま現在困っていること、今後の課題などについてじっくりと意見が交わされました。
文化財調査官の方より、さまざまな形で補助金の申請が可能なこと、その用途についても「そんなことにも使えるの?」と目からウロコな情報のほか、他の文化財保護団体の事例なども教えていただいて、有意義なひとときとなりました。
さらに屋外で竹ヒゴ製作をするメンバーの活動の様子を見学。
そしていよいよ「水のふるさと」の屋外常設展示、上総掘りの足場やぐらへ…。

人が人を呼ぶ。きっかけさえあれば、賑わいはすぐそこに。

近年、メンバー不足に悩んできた当会ですが、実は2月から4週連続で見学者(その場で入会者に!)が続出しています。
この日も、文化庁や袖ケ浦市の職員の方にまざって、なぜか一般のギャラリーまで足場にぞろぞろ。
人が集まり始めると、雪だるま式にどんどん賑やかになっていく…足場の周りに人だかり、という光景は会にとっての幸せの象徴なのです。

今は掘削をしていないため、ヒゴグルマなどを動かして、実際の作業を見てもらえないのが心残りですが、せめてものハネギや掘り鉄管について解説し、理解を深めてもらいました。

関連する記事

遊びながら学ぶ 子どもと小湊鐵道に乗ってフィールドワーク

3月18日からの小湊鐵道トロッコ列車の再開にちなみ、小湊鐵道を利用して、市原市について学ぶフィールドワークに…


   海いこ山いこチャンネル

週刊ちばにっぽう 2016/04/09-04/15

4月9~15日の千葉日報オンライン掲載記事の中から、反響のあった記事、おすすめの記事などをご紹介します。


   千葉日報チャンネル

週刊ちばにっぽう 2016/05/21-5/27

5月21~27日の千葉日報オンライン掲載記事の中から、反響のあった記事、おすすめの記事などをご紹介します。


   千葉日報チャンネル

上総掘りチャンネル

袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
見学やお問い合わせはetofumiya●r8.dion.ne.jpまで。
※●は@(アットマーク)

ランキング

人気のある記事ランキング

【フォト部】投稿写真ギャラリー 2018春季(3〜5月)

毎月1名様限定、投稿写真をTシャツに特別加工してプレゼント!