ハグで心を一つにして、2016年シーズンをスタート

 3月25日、開幕戦のゲーム開始30分前。コーチ、選手、スタッフ全員がロッカー内に集合をした。少し間を置いて指揮官が入ってきた。全員の闘志あふれる顔を見渡すと、満足そうに語り出した。一人一人の目を見ながら開幕直前の所信表明が始まった。

 「いよいよこれから始まる。自覚と責任、プライドをもって戦ってくれ。一年間、山あり谷ありで大変なシーズン。いい事ばかりは続かない。そこはそれぞれがチームメートを信じて、助け合ってほしい。それがウチのチームの良さ。必ずいい成果が出ると思っている」

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 通常、指揮官のスピーチが終わると全員で握手を交わす。それがマリーンズ流。しかし、伊東勤監督は決めていた。今年はいつもと違う儀式を行うと。一体感が高まるような何か新しい事を。ミーティング直前まで考え抜いて、出した答えがあった。一呼吸を置くと、その流れを伝えた。

 「毎年恒例で握手をやっているけど、今年はちょっと趣向を変えてハグをしよう。握手はシーズン終わった後にガッチリと優勝の握手をしよう」

 選手たちが戸惑いを見せる中、率先してコーチ、選手、スタッフ一人一人と力強く抱き合った。最初は照れを見せていた選手たちも指揮官の積極的な行動に笑いが起こり、抱き合い始めた。それぞれが言葉を交わし、目と目を合わせながら開幕の決意を語り合った。男たちの抱擁に、ロッカー内が熱気にあふれた。儀式が終盤を迎える頃、誰もが汗を流していたほどだ。最後に自然と拍手が沸き起こった。誰からともなく「やるぞ!」と掛け声が飛んだ。その風景を指揮官はうれしそうに見つめた。思惑通りだった。

 「なにか一体感があることをしたいと思ったんだ。普段はあまり接することのないメンバーもいるだろうし、ハグをする機会もなかなかない。これをすることによって、お互いで、みんなで一つになれるかなあと。それに緊張感も解れるのではないかと思った」

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 ベンチに向かった指揮官はその意図を教えてくれた。開幕戦、マリーンズは3-2でファイターズを下した。相手先発大谷に初回から襲い掛かった。一つになった打線は3点を奪った。投手陣もエースの涌井、そして大谷、内、西野と必死につないで、1点のリードを守り切った。試合後、涌井は深く息を吐いた。「疲れましたね。勝って良かった。本当にそれだけ。勝てばみんな幸せな気持ちになる。それが大事なんです」。誰よりも監督の今季に懸ける決意を、理解している。だからこそ、この一戦の大事さを知っていた。キャプテンの鈴木もチームを引っ張る。開幕戦の試合後。一度、ベンチに引き揚げた後、若手選手を呼び掛けて、グラウンドに飛び出した。拡声器を使い、「勝ちました!」と絶叫をすると、ファンと一緒に「We are」のコールをした。球場が一体感に包まれた。連勝を飾った翌試合も「ライトに行くぞ!」と選手を指名して引っ張った。この日、自身は無安打。それでも、ファンと一体となって行う儀式を率先して行った。ファンと一つになってシーズンを戦いたい。キャプテンの熱い思いがそこにはあった。

 「みんなでハグをして、監督とハグをして思いました。シーズン後、もう一度、笑いながらやりたいなあと。優勝をしてハグをしたら最高だなあと。そしてファンの方とも喜びを分かち合いたい。今年は本当にファンの皆さんと一緒に戦って、優勝を目指したい。だから試合後も、このようにファンの方と勝利を分かち合えることをしたいと思いました」

 伊東監督の発案によるミーティングでの新たな儀式、熱いげきでチームは一つとなり、マリーンズは新たな歩みを始めた。エースが良い流れをつくり、キャプテンがチームを引っ張る。12球団最高のファンは大声援で後押しをしてくれる。「ミスを恐れるな。結果を怖れるな。責任はすべてオレがとる。みんなは必死に野球をやってくれ」。指揮官はベンチで選手にハッパをかけ続けた。開幕3連戦は2勝1敗。千葉ロッテマリーンズは熱き心を宿し、2016年シーズンを良い形でスタートをさせた。目指すはリーグ優勝。そして日本一。秋にはもう一度、みんなで歓喜の抱擁をする。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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