台湾代表との交流戦に勝利し、笑顔で選手とタッチする井口監督

 「3連勝をする」。そこには親善試合という空気はなかった。強い気持ちで試合に臨んだ。井口資仁監督が対外試合で始めて采配を振るうことになった11月10日からの台湾での台湾代表3連戦。若き指揮官は選手たちに来季、どのように戦うつもりかの形を示した。勝ちを狙って3戦3勝。随所に見せたい野球の片りんもあった。

 「アジャ(井上)もよく打ったけど1番荻野がしっかりと出塁して盗塁をしてチャンスを作るという形ができたのがよかった」

 三回を終えたタイミングで若き指揮官はそう口にして序盤にリードを作った選手たちをたたえた。一番最初に褒めたのは初回に先制3ランを放った井上晴哉内野手。だが、その後は走塁面の話が口から続いた。1番として右前打で出塁して、すかさず二盗をして好機を広げた荻野貴司外野手。そしてなによりも特筆すべきは三塁を狙ってアウトになった平沢大河内野手の走塁を評したことだ。

 「大河(平沢)が三塁を狙ってアウトになったのは、僕たち首脳陣がずっと次の塁を果敢に狙っていけと言っている中でのもの。そういう意味では意図していた通りの攻撃的な走塁をしてくれた。結果はアウトだけど、攻めの姿勢を評価したい」

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 鴨川秋季キャンプから言い続けてきた。どんな状況でも「二つ先の塁を狙う姿勢を持て」。たとえ明らかな右前打でも一塁で足を緩めてほしくはない。外野手が打球をファンブルするかもしれない。油断をして、隙のあるプレーをするかもしれない。そんな時、果敢に二塁へ突き進んでほしい。そんなチームを目指している。だからこそ、二塁で止まることなく、強い気持ちでスピードを加速させ、三塁で惜しくも憤死した若者を評価した。その姿勢を今後も忘れずに持ち続けてほしいと願った。

 若き指揮官はアウトになってユニホームを泥まみれにしながら悔しそうにベンチに戻ってきた若者を拍手で迎え、アグレッシブな姿勢をたたえた。大事にしたいのは、失敗を恐れることなく攻める気持ち。これまで盗塁失敗をしてしまうと怒られるかもしれないというネガティブな発想が充満し消極的になっていた若手選手たちの発想を変えたかった。だから、指揮官としてしっかりと方針を伝え、結果としてアウトになってもその姿勢を誰よりも先にまず監督自身が拍手を送ることで選手を鼓舞した。積極的に攻めた結果が例え失敗に終わっても問いただすつもりは毛頭ない。その考えは今後もブレない。

 「足の速い選手はどんどん走ればいい。走っていいと言っている。走塁面で相手にプレッシャーを与えることが出来る。色々とシチュエーションが変わる」

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 3試合ともベンチではコーチ、そして選手とコミュニケーションを深めた。打席に向かう選手に声を掛け、戻ってくる選手と対話をした。チャンスで打席に向かう選手に「右中間にフライを打つつもりでいけばいい」と犠牲フライを促し、気持ちを楽にさせた。凡退をして戻ってきた選手に「ストレートを狙っていたの?」と問いかけ、自身の配球理論を伝えるなど様々な形で対話を重ねた。新しいマリーンズの形がそこにはあった。

 対話と優しさを見せる一方で厳しさも秘めている。序盤に6得点を挙げ、勝利した11日の2試合目。中盤以降は残塁を重ねた打線に「もっと点がとれたはず」と苦言を呈した。この3戦を終え2月の春季キャンプまで解散となるチームには「休んでもいい。ただ2月1日にはヨーイドンでスタートをする。その時から競争が始まる。どれくらい体を作ってくるかは自分次第」と自己管理を促した。

 帰国の飛行機の中。誰もが充実した表情をしていた。自信、手ごたえ、希望、闘争心。いろいろなプラスの想いが交差し、機内にあふれていた。新生井口マリーンズ。なにかが変わろうとしている。変わりつつある。この予感が確信に変わるのは年が変わったもう少し先の話。ただ、台湾で新たな一歩を踏み出したことだけは間違いない。最下位に沈んだ1年から、浮上の年へ。井口マリーンズの未来は希望に満ちあふれている。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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