幕張メッセで1月に最終審査が行われたビジネスプランコンペティション「CHIBAビジコン2018」で、ITを活用したプランに贈られる千葉日報賞には、「Carstay(カーステイ)株式会社」の宮下晃樹さん(27)選ばれました。

全国各地に点在する駐車場や空き地を車中泊・テント泊スポットとして旅行者に貸し出すシェアリングサービス「Carstay」をリリースしたばかりの宮下さんは、「日本の隠れた魅力を海外の人に知ってもらい、地域と旅行者の架け橋にになりたい」とミッションを語ります。監査法人を退職し、起業にいたった経緯。そして今後の展望をうかがいました。

「忘れられない体験を」

「つくばVAN泊2019」で、⾞中泊体験向けに「Carstay」のプラットフォームが導⼊された=3月21日、茨城県つくば市

── 監査法人から独立。背景を教えて下さい。

宮下:公認会計士に20歳で合格し、大学4年時に米国留学した。ストリートバスケットボールに参加したりステレオタイプではない体験をすることができ、日本でもこのような忘れられない体験を訪日客らに提供したいと思った。

監査法人に就職後、趣味で旅行者の案内をしていたが、2016年8月にはNPO法人「SAMURAI MEETUPS」を設立。門前仲町や柴又、山梨の温泉など、日本人は好きだが海外ではあまり知られていないような場所を案内するようになった。

── 「Carstay」が誕生した経緯は?

宮下:NPO法人で約1200人をガイドしてきたが、年間3000万人以上が訪日する時代になり、仕組み化する必要があると考えた。

また、リピーターも増えてくる中で、車で旅したい訪日客もいるのではないかと。一方で、国ごとに交通ルールが異なるので、車を借りた後、どうしたらよいか分からない。このような、旅行者の車に関する一連の課題を感じていた。

「Carstay」のきっかけは、知人から「日本で車旅をするときに使えるサービスはないか」と聞かれたこと。調べてみたら、自分が良いと思えるものが存在しなかった。そこで、2018年5月、構想を思いついてから2週間で会社を立ち上げた。

「世界で一番車中泊がしやすい国」

── 「Carstay」の特徴は?

宮下:専用ウェブサイト上で、車中泊・テント泊スポットとして登録された駐車場や空き地を探し、予約と決済を行うことができる。サイトには、おすすめの観光スポットも掲載している。また、車中泊だけでなく、農業体験などの観光体験アクティビティにも申し込むことができる。

日本はインフラが整っている。コンビニが多くあり、治安がよく、トイレも清潔。世界で一番車中泊がしやすい国だ。国内のキャンピングカー保有数は10万台を超え、過去10年間で2倍になった。軽自動車のワンボックスカーで車中泊をするユーザーも見られる。サービスの需要は今後も増加すると考えている。

── 起業後、苦労したことは?

宮下:今は5人でやっているが、最初は1人。構想をフェイスブックに投稿し、協力者を募ったところ、ベトナム人のエンジニアから連絡がきた。また、NPO法人のスタッフも参加して、3人で始まった。インバウンドベンチャーのインキュベーション施設に入り、アクセレレータープログラムなどで投資家との出会いを得ている。

銀行の借り入れ、補助金や助成金申請など、会社のキャッシュを回すのは大変だ。公認会計士として助言する立場ではあったが、言うのと自分で(会社運営を)やるのではまったく違う。

ただ(類似サービスで)競合企業がいないのは強い。投資家らから「形になるのが見てみたい」と期待の声をもらえている。5月末までに、まとまった開発や資金調達が完了する予定だ。

全国の自治体との連携促進へ

「つくばVAN泊2019」で、⾞中泊体験向けに「Carstay」のプラットフォームが導⼊された=3月21日、茨城県つくば市

── 1月末から本格的にサービスが始まった。今後の具体的な展望は?

資金調達した上で、ゴールデンウイークや、日本で開催されるラグビーワールドカップでの車中泊需要が見込まれるので、そこで検証を行い、来年の2020年東京オリンピック・パラリンピックを目標に考えている。

3月21日には、定住促進と関係⼈⼝づくりを主な⽬的とした茨城県つくば市主催のイベント『つくばVAN泊2019』で、⾞中泊体験向けに「Carstay」のプラットフォームが導⼊された。今後、全国の自治体との連携も促進していく。

五輪時は1000カ所、5年後のユーザ数100万人を目指している。会社のミッションは、地域と旅行者の架け橋になること。「Carstay」を通じて、日本の隠れた魅力を海外の人に知ってもらい、地域の方も幸せになるという感動体験を届けていきたい。

プロフィール

1992年3月14日生まれ。2014年、慶應義塾大学 経済学部卒業。有限責任監査法人トーマツのトータルサービス事業部にてベンチャー支援に従事する。

16年、 公認会計士として独立。NPO法人「SAMURAI MEETUPS」を創業し、地方へのインバウンド誘致を通じた地域振興を推進。

18年6月、Carstay株式会社を設立し、現在にいたる。

関連リンク

関連するキーワード

ちばとぴ!編集部チャンネル

ちばとぴ!編集部の公式チャンネルです。千葉情報のまとめの他、編集部オリジナル記事、編集部からのお知らせなどを配信いたします!

当サイトの事務局的な動きもしております。

ランキング

人気のある記事ランキング

9

2017千葉ロッテマリーンズJr 選手名鑑

千葉ロッテマリーンズ チャンネル