左から、作家の来田広大さん、岡田杏里さん、ヘラルド・バルガスさん

市原市南部の里山や閉校を舞台にしたイベント「アートいちはら2018春~晴れたら市原 、行こう~」が3日から始まりました!

連携会場を含めた全13会場のうちのひとつ、月出工舎(市原市月出)では、美術家で月出工舎のディレクターをつとめる岩間賢さんのもと、国際交流展「コンニチハ メキシコ×月出」をテーマに、メキシコへの留学経験のある作家の岡田杏里さん、来田広大さんに加え、メキシコ・ベラクルス州立大学美術造形研究所研究員のヘラルド・バルガスさんの3人の作家が参加しています。

初日はアーティストトークが開かれ、ひとりひとりの作家の話を聞くことができました。

トンネルを抜け内面へ“潜る” 岡田杏里さん

岡田杏里さん

岡田杏里さんは1989年埼玉県生まれ。昨年春に同市で開催された芸術祭「いちはらアート×ミックス2017」にも参加した作家のひとりです。昨年の春から月出工舎に通い、このイベントの開催まで約5カ月滞在して制作を進めてきたそうです。

作品名を『月出に潜る』とし、高さ幅ともに2メートルはあろうかというキャンバスに描かれた色鮮やかな絵画をはじめ、約15点ほどのモビールやオブジェなどの作品を展示しています。

岡田杏里さんの作品『月出に潜る』

『月出に潜る』について岡田さんは、「せっかく月出にいるのだから月出をテーマに制作をすることにしました。住んでいる場所は埼玉県の住宅街ですが、都会から月出に来るときに、どんどん景色が変わり、人もだんだんと少なくなり、山の奥へ入っていくことが、外の世界から中の世界へ感覚が変わることを実感しました。(月出まで来る道路には)トンネルが4つほどありますが、そこを通り過ぎるたびに、内面へと入っていくような感じがし、それが作品に繋がりました」と制作に至った思いについて語りました。

岡田さんは引き続き、滞在しながら制作をし、“月出生まれ”の作品を東京や海外でも発表していくそうです。来年は再びメキシコへの留学も控えているそうで、今後の活躍も注目です。

テーマは「別人格」 ヘラルド・バルガスさん

ヘラルド・バルガスさん(写真左)と、通訳をする岡田杏里さん

続いてのヘラルドさんは1971年メキシコシティ生まれ。『Alter Ego』を作品名としたシルクスクリーンやモビール、古いおもちゃを使ったオブジェなど、会場で数えて約40点もの作品が展示されています。

アーティストトークでは岡田さんがスペイン語の通訳をしました。

ヘラルドさんは「今回、こんなに素敵な場所に来れるとは思っていませんでした。僕はメキシコのベラクルス州立大学で働いています。3年前に初めて日本に来たときに杏里(岡田)さんと知り合いました。ここに展示しているのは2000~2017年に制作した作品です。テーマは日本語で「別人格」という意味です。シンボルは私の別人格というか、自分を反映しています。棚の上に置いてある人形は、もともとはゴミになるものを収集して作品に作り変えています」と話しました。

ヘラルド・バルガスさんによるシルクスクリーンと古いおもちゃを利用したオブジェの作品

さらに「制作の発想のもとになる旅が重要。旅をすると、自分の内部との対話や、自分を客観的に見ることができるので、旅から作品が生まれています」と発想法についても話しました。

このイベント終了後は、東京都内の2ギャラリーで5月中に個展を開くそうです。

御宿とメキシコつなぐ『波をたどる』 来田広大さん

来田広大さん

そして来田広大さんは1985年兵庫県生まれ。炭酸カルシウムの白い粉を用いて巨大な絵を描くダイナミックな作品を制作しています。

来田さんも、岡田さん同様にメキシコへ渡り、約1年半滞在し制作。昨年末に帰国しました。このイベントには岡田さんを通じて、参加することになったそうです。

作品は2本の映像を使ったインスタレーション『波をたどる』です。

1609年にサンフランシスコ号が現在の御宿町岩和田(いわわだ)の海岸沖で座礁し、岩和田の村民たちが乗組員を救助した史実をテーマにしました。

来田広大さんの映像作品『波をたどる』

来田さんがメキシコの友人にインタビューするテレビモニターの映像と、月出工舎の校庭で、御宿の波とメキシコのアカプルコの波を炭酸カルシウムで描く来田さんを撮影した大型スクリーンの映像です。間にメキシコの映像を挟んでいます。

あいにくの雨天で、残念ながら校庭に描いた波は流れてしまいました。

来田さんは「日本とメキシコの間の距離を確かめていく、そんなテーマで作りました。今はインターネットで簡単に連絡が取れたりするが、その間の距離を考えながら作りました」と御宿とメキシコの距離や交流に触れた作品であることを解説しました。

市原市はアートを活用した地域活性化の取り組みとして、14年春に「中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス」、3年後に「いちはらアート×ミックス2017」を開催。そして今年4月に、2020年の第3回を開催する方針が固まりました。地域の自主的なボランティアなどの活動は確実に根付いており、今回のイベントはこれを継続、発展させるために行われています。

月出工舎は旧月出小学校の校舎をリノベーションした会場で、教室が展示室や工房に、職員室だった部屋はカフェに改装されています。


【アートいちはら2018春】
開催期間:2018年5月3日から6日まで
開館時間:午前10時から午後5時
鑑賞パスポート:大人300円、中学生以下無料
総合案内:いちはらアート×ミックス実行委員会
     千葉県市原市牛久500(南総支所内)
     電話/0436−50−1160

【月出工舎】
千葉県市原市月出1045(旧月出小学校)
Mail:info@tsukide.jp

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