ウミガメの足跡
ウミガメの上陸産卵調査は、ウミガメの足跡を探すことから始まります。
早朝の砂浜に残されたウミガメの足跡は、まるでブルドーザーが通った後のようです。
が、その違いは!?
千葉県の太平洋に面した海岸で、6月から8月頃、砂浜にこんな跡があったら、それはウミガメが卵を産むために海から砂浜に上がって海へ戻っていった足跡です。必ず海から陸へそして海へと続いています。似たようなブルトーザーのタイヤ跡は、陸から出て陸へ戻ります。
上の写真は、2010年8月7日の朝、一宮町の海岸で発見したアカウミガメの足跡です。海の波間からお母さんガメが砂浜に上がり、重い体を引きずって歩いてます。残念ながらこの時は、護岸工事の蛇篭(波で浸食されないように、ワイヤーで石を包んだ物を積み上げている)のある場所に当たって産卵できずにUターンして海へ戻っていました。
砂浜に残る力強いお母さんガメの足跡。
中央の平らな部分はお腹の跡、その真ん中にくねくねと続く線は、しっぽの跡です。
暗く静かな夜の砂浜に上がったウミガメは、子ガメが無事に海へ戻れるように、灯りが無く、大潮の満潮時にも波をかぶることが少ない海浜植物の生えている場所と砂浜の境目辺りの位置で、緩やかに海へと下る傾斜のある場所を探します。卵を産む場所を決めたら、短い後ろ足で深さ60㎝くらいの穴を掘って、平均で約120個ほどの卵を産み落とした後、丁寧に穴を埋め戻し、そして前足で砂を後ろへ跳ね飛ばし、その場所を隠して海へと戻っていきます。
下の写真は、2013年8月9日の早朝に発見した足跡です。
海から砂浜に上がって産卵場所を探して約40mほど歩いた所に118個の卵を産んで海へ帰っていきました。
一宮町の海岸では、このウミガメの足跡を早朝に歩いて探して、1994年から2018年の25年間で460回のウミガメの上陸を記録、平均で年に18回、ウミガメが産卵のために一宮町の砂浜に上がってきたことを確認しています。
一宮ウミガメを見守る会 渡部
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