ベンチのホワイトボードに伊東監督が書いた「闘魂」の文字

 「闘魂」。マリーンズのベンチで今やすっかり合言葉となっている。25日のホークス戦(ヤフオクドーム)の試合開始直前。2連敗で借金21と膨れ上がった状況下のベンチ内で伊東勤監督は腕を組みながら天井を見上げていた。なにやら思いついたのか、スッと立ち上がるとスタメンなどの選手情報が記載されているホワイトボードの方に向かった。そして一心不乱にペンを走らせた。「闘魂」。記された言葉は闘志あふれるものだった。指揮官の気持ちが乗り移ったかのようにこの試合、打線が爆発。5本塁打で今季初の2ケタ得点となる12得点を挙げ、これまで10敗と天敵としていたホークスを打ち破った。

 「ふと泥臭く野球をやっていた高校時代の事を思い出してね。別に深い意味で書いたわけではない。ただ、なんとなく書いただけ。でもそれが選手に伝わったのであれば嬉しい」

 勝利にベンチが沸く中、指揮官はニヤリと笑みを見せ、この言葉の由来を話し出した。思い出していたのは母校・熊本工のグラウンド。ネット裏には木製の大きな看板が掲げられていた。「闘魂」と「根性」。大きな力強い字でそう書かれていた。

 「オレが入る前からずっとあった。いつもその言葉を見ながら練習をしていた。最後は気持ち。そう思いながら歯を食いしばっていた。オレの原点。その精神は忘れられない」

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 場所を本拠地ZOZOマリンスタジアムに移した翌26日からのバファローズ3連戦でもベンチ内のホワイトボードには「闘魂」の二文字があった。指揮官が陣取るすぐそばから、その言葉は何か強い念を放っているかのようだった。26日はサヨナラ勝ち。27日も勝利しチームは今季初の3連勝を記録した。「闘魂で行くぞ! 絶対に勝つ!」。試合前の円陣で選手たちは叫んでいた。歯車が狂っていたチームが気づけば闘争心を思い出したことで投打のすべてのプレーに力強さが感じられるようになっていた。

 「どのスポーツもそうだけど、戦う魂が相手より勝っていないと勝てない。闘争心を内に秘めるのもいいけど、マリーンズに関してはそれを思いっきり表に出してほしい。嬉しさや悔しさを体全体で表現をしてエネルギーを突き出してほしい」

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 思えばそれは伊東監督が就任をした2013年から言い続けてきたことの一つでもある。当初、勝っても淡々。負けては下を向く傾向にあったチームを「気持ちが表に出ないのは残念だ」と事あるごとに言い続けてきた。束になって相手に向かわないと強敵にはかなわないチーム状況が続く中、ベンチ一丸の闘志を前面に出す姿勢を奨励し勝ち星を積み重ねてきた。

 「三振を奪ったらほえればいい。打ったらベース上でガッツポーズをすればいい。ファンもそんな姿勢を見に来てくれている。こんな時代にあって、そのようなみんなの姿勢を見せることで、きっとスカッとしてくれるはずだ」

 今季、開幕ダッシュに失敗し借金が大きく膨れ上がる中で再びこの原点に立ち返った。そして自身の高校時代の原風景と重ね合わせ、「闘魂」の2文字をプレイボールの直前に、誰もが目に見えるところに書き込んだ。文字は「言霊」となって、チーム全員の心に染み込んでいった。

 「オレの心にはいつもどんな時も闘魂がある。ここまでは残念ながらやられっぱなしだった。絶対に意地を見せないといけない」

 レギュラーシーズンはいったん小休止となり、30日からは交流戦が始まる。借金19の最下位から迎える新たな戦い。ここで反撃の大きなキッカケをつくり出す。セ・リーグ相手に闘う魂をぶつける。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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