真に勝つ寺?!最強ネーミングに誘われ、坂道を上がっていくと…

おなじみ袖ケ浦市郷土博物館を飛び出し、君津市久留里周辺の井戸にまつわる史跡や穴場スポットを巡るプチトリップに出掛けた、上総掘り技術伝承研究会メンバー。
3代目井戸掘り職人・鶴岡正幸先生の誕生日祝いランチに舌鼓♪のあとは、再び久留里市街へと向かいます~☆彡

前回、11年前にこの真勝寺を訪れた時には、久留里街道(国道410号線)沿いの料亭「山徳」さんの駐車場に、袖ケ浦市のマイクロバスを停めさせてもらい、参道を歩いて行ったものでした。
かつて城下町だったこの周辺、現在は閑静な住宅街。かつては武家屋敷が集まっているエリアだったそうです。
今回は、久留里街道からえらく急な坂を車で上り、境内の駐車場へ。

かつて城下街を潤した、千葉県初の水道「久留里上水」

ちょうどお寺の方がいらしたので、場所を尋ねて教えていただきました。
山門の右手、小高い針葉樹林の山肌、岩壁に洞穴のような2つの窪みが並んでいます。大人でも屈めば立ったまま入っていけそうな横穴。声を出すとエコーがかかって響き、奥から返事があったらどうしようかと思うような暗く深い穴。足元には湧き水が静かに流れるここが、かつて横穴水道の水源地でした。

11年前の資料より。
「1851(嘉永4)年、久留里市場上町の有志は真勝寺境内の山に、約五十間(約90m)の横穴を掘り、清水を得た。そこで竹を使い、上町各戸に給水したが、明治初年、家禄奉還の際に同寺境内の大木を伐採したため、漸次水量が少なくなった。そこで明治22年更に近くに深さ80間(約140m)の横穴を掘って補給したが、その量は少なかった。これが千葉県で最初の水道である「久留里上水」で、清水を集めて竹樋で上町8カ所の余水桶に給水し、共同で利用した。」

上の写真は右側の広い方の穴の中。入っていこうと思えば入っていけますが…ストロボを焚かなければ、奥は真っ暗です。
今も、横穴の上にはヒノキなど針葉樹林が広がっています。
森を切ってしまえば水が涸れることを、歴史が証明しているのだと改めて実感。

ちなみに真勝寺の建立は、甲斐源氏の支族である上総武田氏一門の勝真勝(すぐろ・しんしょう)が久留里城主だった1540(天文9)年。なんとも縁起良さげな、強気な名前の城主ですが、記録では里見成義(実堯?)によって無血開城され、以後は里見の属城となったとあります。
境内には、最後の久留里城主・黒田家9代直養(なおなか)はじめ、久留里の名士といわれた人々のご立派な墓が並んでいます。幕末維新期の悲劇の主人公、藩士・杉木良太郎(←まぎらわしいのですが時代劇俳優さんの誤字ではありません。ご存命だし!)親子の墓も。この親子は、息子が父親に斬られるという非業の死を遂げたのだとか。

見どころ満載!3Dな木彫や、蛙のオブジェがそこここに…

またこの寺の本堂には、上総~夷隅地域の社寺に数多くの見事な彫刻を残した、彫刻師・後藤忠明の作品が随所に見られます。雲や波といった自然の風物が、実にリアルに、今にも動き出しそうな3Dに仕上がっています。この鞠の透かし彫り具合といったら!

近年、真勝寺は「かえる寺」として蛙にちなんだオブジェなどがたくさん置かれていました。
大きな蛙の木魚にはびっくりです!

いよいよ井戸巡りツアーも大詰め。
再び久留里街道を北上し、最後の見学先であるかつて掘削した現場跡地と、久留里城址資料館へ車は走り出しました。

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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
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