「1本目の竹ヒゴって、どうなってるの?」の声にお答えして

掘削している間、地上に出ている竹ヒゴの上端は見えていますが、井戸孔に差し込まれて地下深くに入っている竹ヒゴと鉄管のつなぎ目は当然のことながら見えません。
竹ヒゴの下端には鉄管やスイコが接続されて、孔底で掘削あるいは掘り屑をさらっているのですが、竹と鉄の接続部分も、竹ヒゴ同士と同様にヒゴワでしっかりと固定されています。
その接続部分には、ウワガマという長さ40cm弱の鉄棒を挟んで竹と鉄をつなぎます。
写真は、1本目の竹ヒゴ(四つ割り)でウワガマを挟みこむところです。

さらに「鉄管のてっぺんはどうなってるの?」の声にお答えして

鉄管もスイコも、絶対に井戸孔のなかに入れっぱなしにはしないため、その日の作業の最後には、ヒゴワをゲンノウで叩いて接続部分を外し、竹ヒゴはヒゴグルマに巻いておきます。鉄管やスイコは、足場の主柱に立てかけて固定しておきます。
写真は左が掘り鉄管、右がスイコ。矢印の部分が、竹ヒゴにつけたウワガマと繋げる部分です。

これがウワガマ(もちろん鍛冶屋さん製)

写真手前から1本目の竹ヒゴ(四つ割り)、ウワガマ(矢印)、おもり(掘削以外で竹ヒゴを孔内に降ろす際につける)の順。
竹ヒゴ同士と同様に、金属と金属もヒゴワで繋げますが、この接続は1日に何度か脱着することが多いため、スベルなどを打ち込んで固めてしまうことはしません。
あくまで、作業の間だけしっかり接続されている状態を維持するためのヒゴワです。
1本目の竹ヒゴとウワガマは、ずっと繋げたままなのでスベルを打ち込み、きっちり固めてあります。

金属同士を接続する際、ヒゴワを叩くゲンノウは、ウワガマに触れたまま滑らせるように動かします。
離れたところから打ち付けると、ヒゴワの外側ばかりがめくれるなど傷みが激しいため、ウワガマに対して垂直に力がかかって、互いをきっちり固められるようにします。
多くの人は利き手と逆側は打ちにくいのですが、なるべく水平にまっすぐ深く打ち込むことが大切です。

ケガの功名?とにかく水に浸けておく!

通常の掘削はもちろん、挽回作業においても竹ヒゴとウワガマ、スイコがきっちり接続されていることが肝心です。
袖ケ浦市郷土博物館の現場では、まだこの接続部分が外れたことが原因の事故は起きていません。
初回は2011年9月に竹ヒゴが折れたため、そして今回は竹ヒゴが全て繋がったまま鉄管が動かなくなっただけなので、ヒゴワを打ち込んだメンバーは無実!ということになります。
かつての職人たちは当然毎日掘削を行っていましたが、現代の我々はボランティアにつき週に1度程度しか足場を動かすことができません。
そのため、この現場では毎回、活動日の最後には竹ヒゴにおもりをつけて井戸孔の中に下ろし、水につけておくことで竹ヒゴの劣化を防いできました。
竹ヒゴは乾燥してしまうと折れやすいだけでなく、接続部分も縮んで外れやすくなります。
活動頻度を増やせないという弱点を逆手にとって、重大なトラブルを避けられたことに感謝しつつ、挽回作業と引き続きの掘削の成功をめざしたいところです。

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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
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