井戸巡りレポもいよいよ最終回!まずはかつての現場へ…☆彡

ついに井戸巡りツアーのレポートも最終回。
上総掘り技術伝承研究会のメンバーを乗せた車は、久留里街道(国道410号線)を北上します。
街道沿いの右側に見えてきたのは、「としまや弁当」と「ドライブイン久留里三万石」。その裏手に広がる田んぼの中に、ひっそりと佇む上総掘り・鶴岡方式の足場。
ここは2005年に、上総掘り技術伝承研究会の前身である「鶴岡塾」有志で、掘削作業を行っていた現場の跡地です。

君津青葉高校の授業の一環として65mまで掘られていた井戸を引き継ぎ、春から秋までの半年あまりで117mまで掘削したのですが、想定外に自噴してきてしまい、施主の希望でさらに掘り進むためにひたすら濃い粘土を投入するなどしましたが、もろもろの事情が重なり掘削継続を断念。
その後、地元のNPOかずささんらが管理し、観光用として足場を残して下さっています。

田んぼの中で、後ろに見える山頂には久留里城址資料館の建物と、久留里城の天守閣が見えています。これを描いた版画の絵はがきを、先程の真勝寺でいただいてきたのですが、まさに描かれた通りの眺めです。
蛙や蝉、野鳥の声を聞きながら、大自然の只中で作業をしていた頃を懐かしく思い出します。

私たちが撤退後、一時期、一般の方が掘削体験をできるよう地元有志によって稼働していたこの足場、ヒゴグルマに巻き付けてある竹ヒゴ1本1本に、ワイヤーが添えられていたのが印象的でした。万が一、竹ヒゴが折れたり継ぎ手が外れたりした場合に、井戸孔内に鉄管などを落としてしまわないよう補助的に取り付けたもののようです。

現在は撤去されていますが、掘削していた当時は足場のすぐ脇に小さな作業小屋があって、急な荒天時などは雨宿りもできたし、何より全ての道具を収納しておけたので、作業の前後に道具をえっちらおっちら遠くから運んでは「あれ持ってこなかった~」「取りに行ってくる~」などという無駄がなくせました。
立地条件としても、高速バス「カピーナ号」の停留所が近く、交通の便が良かったので県外・都内からの見学も多く、今思えば非常に恵まれた現場でした。

機械掘り井戸ではありますが、24時間自噴中ですから!

足場のある田んぼから土手を上がると、機械掘りの大きな灌漑用自噴井戸が豊富な水量を誇っています。深さは535m。今も52952㎡の田畑を潤している現役の井戸です。
竣工は平成21年12月。東日本大震災後に水量が減少したため、掘り直したと聞いています。この井戸が注いでいる池(清水堰)は、江戸時代の久留里城周辺地図にも記載されています。

そのすぐそばに、上総掘りで掘られたシンボル的な土管の自噴井戸があって、この写真はWEB上でアイコンとして多用しているのですが、だいぶ年期が入ってきました。井戸の端には、小さなふきのとうの花が。

付近には大賀ハスの池や彼岸花が咲き誇る土手など、四季おりおりの見どころが整備されています。12年前、毎週摘んで帰り、夕飯のサラダに加えていた水ゼリが、今年も繁っていました。

おなじみ、久留里城址資料館では小糸エリアの足場が屋外展示中

最後に、おなじみの久留里城址資料館へと向かいました。
この山頂からは、さっきまで懐かしく眺めていた現場を見下ろすことができます。
屋外には、小糸川流域の職人が発展させた釣り竿式(ハネギが1本のみ)の上総掘り足場が展示されています。
館内は撮影禁止につき、写真はありませんが、郷土の歴史資料の中に上総掘り関連の展示物が充実し、当会のメンバーが掘削作業を行う様子が写真やコマ送り動画で紹介されています。

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上総掘りチャンネル

袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
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