来日し、笑顔でポーズを決めるペーニャ

 空港に到着するや向かった先はホテルではなくZOZOマリンスタジアムだった。状態がなかなか上がらないマリーンズを救うべくシーズン途中に加入をすることになったウィリー・モー・ペーニャ内野手が多くの荷物の詰まったタクシーを走らせた先は来日を待ちわびる指揮官の下だった。スワローズとのナイトゲーム開始1時間前に到着すると監督室をノックした。待ちに待った大砲の到着に両手を広げて歓迎をした伊東勤監督に巨体の助っ人も笑顔で挨拶をした。自身の状態、今後の調整方法など一通りの話を終え部屋を出ていく寸前、足を止めた。そしてもう一度、指揮官の目を見ると、決意を伝えた。

 「自分がここに来たのはマリーンズを勝利に導くためだ。そしてもう一つ。自分の存在が若い選手たちの刺激になればと思っている。若い選手たちにいろいろな事を伝えたりする手助けが出来ればと考えている」

 頼もしい言葉に指揮官は目を細めた。そして喜んだ。「なかなか言える言葉ではない。心強い。ぜひ頼む」。そう言ってガッチリと握手を交わした。

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 ホークス、バファローズ、イーグルスで計71本塁打と日本の野球は誰よりも経験済み。なによりメジャー84本塁打の実績に誰もが尊敬の念を抱く。選手ロッカーに入ってきた新助っ人はすぐに注目の的となっていた。野手だけではなく投手にも声を掛けた。そんなペーニャは一人の選手の事を入団が決まった時から気に掛けていた。同じドミニカ共和国出身。来日1年目で日本の野球に戸惑い悩むジミー・パラデス内野手。その存在をインターネットでチェックをし、誰よりも先に声を掛けないといけないと思っていた。

 「それは誰もが通る道だ。自分も最初は三振の山だった。日本の野球の特徴を理解し、想定をしたうえで対処をする必要がある。心配をするな。そのために自分が分かることはすべて教える。気持ちの部分も大きい。自分を追い込むな。リラックスだ」

 外国人枠があることを考えればライバルともいえるパラデスに話し掛けると野球談議は熱を帯びた。異国の地での結果が出ない日々に曇りがちだった若き助っ人の目はキラキラと輝いて見えた。それからは毎日のようにロッカーで話し込む姿があった。時にはその場にマット・ダフィー内野手やロエル・サントス外野手も加わり大きな輪が出来る。徹底的に弱点を突いてきたり、変化球攻めを行う日本の配球論を惜しみなく語っていた。

 「オレが呼ばれたのは、チームが勝つためだ。それはバットだけではないと自分は思っている。出来ることは何でもする。そして会話も非常に大事だ。厳しい状況が続いているがマリーンズはクライマックスシリーズに行ける。必ず行ける。そういうチームだ。最高のチームだ」

 やる気をみなぎらせる新助っ人。ビザ取得の関係上、すぐに試合出場とは行かないが本人はいつ出番が来てもいいように来日翌日から室内練習場で自主練習という形でバットを振り込んでいる。「午後4時に寝て、起きたらまだ夜中だったよ」と時差ボケと闘いながらも、スイングは鋭さを増している。そして一通り、汗を流すとまた熱く語りだす。どうやったら勝てるか。これまで他チームの立場で見ていてマリーンズがいかに素晴らしいチームと思っていたか。そうやって若い選手たちを鼓舞している。

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 試合のなかった6月12日の月曜日も同じように1人、室内練習場で打撃練習を行った。終了後、報道陣に囲まれたペーニャはいつものように力説した。「チーム状態はここから間違いなく良くなっていく。兆しはある。自分も最大限ベストを尽くす。上へ上へと突き進んでいく。快進撃が始まるよ」。ファンへの熱いメッセージだった。取材を終えての去り際、出口の手前で立ち止まるときびすを返した。そして先ほど取材をしたコメントをメモしていたマスコミにもう一度、近寄り念を押した。「さっきの話は本当だ。必ず良くなる。しっかりと見ていてくれよ!」。身長191センチ、体重118キロの巨体を震わせながら、人差し指を1本、天高く突き上げた。頼もしく熱き大砲がまもなくチームに合流する。苦しむマリーンズを変えてくれる。反撃の時が来た。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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