2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。
その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡

久々に訪れた「金のすず」で、木更津市の歴史をたどるプチ見学ツアー決行

平成が終わろうとしている大型連休直前に、慌てて3月の話題で失礼いたします(汗)。
早春の木更津市郷土博物館「金のすず」にて、地域学講座「木更津風土記」第5回が行われ、文化庁の文化財調査官・前田俊一郎氏を講師に迎え「技術伝承の保護に向けて-上総掘りの民俗技術と保護制度‐」をテーマとした講演のお知らせをいただいたので、会員一同で朝からJR木更津駅に集合し、車を乗り合わせて太田山公園へと駆けつけました。

講演は午後からなので、午前中はみんなで金のすずの展示をひとめぐり。木更津の歴史をたどるプチ見学ツアーを楽しみました。

黄金のくに・いにしえの木更津★

金鈴塚古墳から出土した国指定重要文化財はじめ、弥生時代の低湿地遺跡として有名な菅生遺跡からの遺物などを保存・展示。主な展示品としては金銅製環頭大刀・金鈴・金糸・銀木美形垂飾などなど。
まばゆい黄金の遺物がずらりと並んでいます。

上総掘りの用具たちと再開!

しかし重要なのは何と言っても近代!
この博物館には、国指定重要有形民俗文化財に指定された、上総掘りの用具が常設展示されています。(上総掘りの技術は無形民俗文化財。)
以前、県立の博物館だった頃にはミニチュアの足場やぐらが展示されていましたが、運営が木更津市に移行される際、当会が足場の解体を担当したのでした。

上総掘りの掘削方法や使用する用具などは、時代や地域(養老川、小櫃川、小糸川などの流域)や職人によってさまざま。用途に合ったものをそれぞれ工夫して発展させてきた民俗技術なので、よその現場で使っていた道具を見ることは何よりの勉強になります。

ためになる!上総掘り博士になれる資料の数々

そのほか、上総掘りにまつわる幅広い資料が展示されているので、井戸掘り初心者にはオススメの学びスポット。自分たちの使っている道具との違いを見つけるのも楽しいものです。
下の地図の赤丸は、上総掘りで掘られた井戸の分布を表しています。
この中には、当会の鶴岡正幸会長と先代のお父様が掘削した井戸もたくさん含まれていて、いまもじゃんじゃん自噴しています!

下の写真は、高足場の模型展示。2階建てくらいの高さに足場板を設置し、そこにネバダルを置いて、つまり地上よりも高い場所からネバミズを投入し、圧力をかけて掘削するというわけ。
硬い地盤で掘削が長期化することが多かったといわれる養老川流域などで見られたスタイルで、丸太に藁葺きの屋根や風除けを備えた立派な足場もあったそうです。

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上総掘りチャンネル

袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
見学やお問い合わせはetofumiya●r8.dion.ne.jpまで。
※●は@(アットマーク)

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