手打ち蕎麦「安万支(あまき)」へ

せっかくの井戸巡りです。
再び久留里市街に戻り、昼食には上総掘りで掘られた井戸を使って食事を提供しているお店を選びました。
国道410号線(久留里街道)沿いの商店街には、いくつもの店先に自噴井戸があって自由に飲んだり汲んだりできるのですが、お蕎麦屋さんや酒屋さんなど銘水を生かしたお店がいくつも並んでいます。
ここ、手打ち蕎麦「安万支(あまき)」さんには、隣接する駐車場に大きな井戸があります。

敷地内に大きな自噴井戸が!

「安万支」さんで蕎麦打ちに使う水は、ゆでたり洗ったり、仕上げまで全てこの井戸から引いています。
鉄筒の高さは、それだけ噴き上げる水の勢いがあるということ。
蓋をするのに、抑えきれるだけの高さにしないと壊れてしまうからです。

久留里市場の街でも、これだけの高さの井戸は珍しいです。
井戸水の温度は一定なので、表面は結露していることが多いとか。
(この日は雨だったのでわかりにくかったですが。)

柱状図に学ぶ!

お蕎麦ができる前に、学芸員Fさんが懐かしい柱状図を見せてくれました。
「久留里町市場字仲町井戸掘鑿柱状図」。
以前、「上総掘りサミット」でも展示された、昭和9年11月起工、昭和10年6月竣工の井戸の掘削作業日程と地質の様子を克明に記してある貴重な資料です。
実物は巻物になっていて、実際の井戸の1/500、深さ351間(638m)のどこに帯水層があるかもはっきりわかります。

昭和初期の井戸掘り職人の実力

今回、この昭和初期に記された柱状図に、現代の技術を使って電気抵抗で地層の様子を分析した結果をあてはめてみました。
右のモノクロの図の縦の真ん中あたりに、ところどころ大きく波打つグラフのような線があるのがわかるでしょうか。
この波打ち方が右に大きく振れている部分は、地下の帯水層を表しています。
これがなんと、昭和初期の職人が記録した帯水層の位置(左の柱状図で水色に塗られている部分)とぴったり一致するのです!
これは驚きでした。かつての井戸掘り職人たちが、帯水層を正確に把握しながら掘削していたことがわかります。
先人たちの技術力の高さに脱帽です。

もちろんお蕎麦も美味しかったです★

さらに鶴岡先生から、いつかは横突き井戸について改めて学ぼう、と図面で解説を受けるなど、勉強したらお腹も空きました。
みんなで温かい山菜蕎麦と、せいろ蕎麦を注文。
つややかでコシのある蕎麦は上品な味。
上総掘りで掘られた地下水の恵みを、おいしくいただきました。

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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
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