モグラさんに扮する開発好明さん

千葉県市原市南部の里山で、5月14日まで開催されている現代アートの祭典「いちはらアート×ミックス」(以下、アートミックス)レポートの第2回。

今回は、里見エリアのIAAES(旧里見小学校)で注目の、モグラさんでおなじみ、美術家の開発好明さんによる2つのプロジェクトについて紹介します。

五井駅から小湊鐵道に乗り、約50分で里見駅へ。無料周遊バスのルート1に乗り、約10分でIAAESへ到着します。

モグラさん水を作る

モグラ(開発好明)さんと、モグラハウス

2014年の第1回目では、モグラに扮した開発さんが、ゲストを招いてアートや地元について語る番組「モグラTV」を、養老エリアの地中空間からインターネットで生放送しました。

今回は、穴に潜らず、IAAESの校庭に木造住居「モグラハウス」を設置。ミミズが捕れずに食糧難に陥った-という設定で、自給自足をテーマに、まずは水を作る装置を作っています。

穴に潜らなかった理由について、開発さんは「(地下空間は)新潟県のキナーレという美術館に展示中だから」と説明。地上に住んでいるからミミズが捕れずに食糧難に陥っている説もあります。

モグラハウスの裏にある水を作る装置。地面に穴を掘り、中に湯のみを置く

水を作る装置は、モグラハウス裏の地面に深さ約15センチほど掘った穴の真ん中に湯飲みを置き、ビニールをかぶせたもの。

土の中の水分が徐々に蒸発して水滴となり、ビニールをつたって湯飲みの中に溜まるという仕組みです。

水滴がうまく湯のみに落ちるよう、ビニールの上に重石を置き、湯のみの上あたりをへこませています。

この装置を段階的に大きくし、最終的には、高さ5メートルほどの竹で組んだ大きな装置にしたいそうです。

見ると、小さな湯飲みの底にわずかに水が溜まっていました・・・。うまくいくといいですね。

開発さん曰く、「この装置は土があればどこでもできるが、あとは飲む勇気」。確かに、湯飲みには土が混じっています。衛生面が課題でしょうか。

大人世代へ学びを 「里見100人教頭キョンキョン」

開発さん、「里見100人教頭学校キョンキョン」の看板前で

IAAESではもう一つ、開発さんによるプロジェクトが行われています。

期間中、全部で約80のさまざまな講座が開かれる「里見100人教頭学校キョンキョン」です。会期中、インターネットの動画配信サイト、ユーストリームで生放送します。

開発さんは、横浜や三宅島でも「誰もが先生、誰もが生徒」を合言葉に、講座を開くプロジェクトを行ってきました。

市原では、地域が文化的に盛り上がるよう、また、このプロジェクトが長く続くようにとの願いをこめ、講師を“先生”から“教頭”へグレードアップしたのだそうです。

講師をつとめる“教頭”は25人。「アートミックスをあと3回開催すると教頭が100人になる」と、このイベントが長く続くことを願う開発さんでした。

この日は「ネイチャーガイド教頭」が登場!

ゼニゴケについて説明する「ネイチャーガイド教頭」の柳池繁さんと、熱心に聞き入る参加者ら

この日は、「ネイチャーガイド教頭」による、柳池繁さんの野外授業が行われていました。

公民館などで自然観察の講師をしている柳池さんとともに、スタッフを含めた参加者約10人は、IAAES周辺の神社や水田などの植物観察に出かけました。

IAAESから北へ5分ほど歩いた大山神社では、自生するキイチゴやゼニゴケなど観察し、境内に生え、茶葉にもなるチャノキを説明。柳池さんは、かつて里見の地には、茶畑があったことも話しました。

その後、南西方面の水田へ移動し、食用にもされる水路に生えたクレソンやセリ、道端に咲く紫がかった白い花のシャガなど、多種多様な植物を観察、2時間ほどかけ約2.5キロメートルを散策をしながらの授業となりました。

参加者らに、田んぼの水路のクレソンについて説明する柳池さん

柳池さんは、里山に竹が増えている現状をあげ、「山に入る人が減少していることが原因」と、植物に見る環境の変化についても触れました。

このほかにも、5月14日まで毎日さまざまな講座が開かれています。パスポートがあれば、全ての講座を受けることができます。各講座は先着順で、定員は10人です。申し込みをすると学生証が配布されます。

予約は公式ホームページから。好きなテーマを見つけて参加してみてはいかがでしょうか。

IAAESの他の作品については、次回お届けします。

IAAESとは、Ichihara Art / Athlete Etc.Schoolの略称。1913年に開校した旧里見小学校は、2013年に100周年を迎え、閉校しました。 

「里見100人教頭キョンキョン」の申し込みはこちら

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