ハードなルートを辿る

「ラピュタの壁」を見学できる展望台から景色を眺める鈴木裕士さん(右)と髙橋綾子さん(左)=鋸山(富津市)

先月26日、千葉県の富津市金谷と安房郡鋸南町の境に位置する山「鋸山」で、岩壁に猫が掘られた「猫丁場」や今にも崩れそうな「洞窟」、地元金谷の人たちが命がけで作った「絶壁階段」など、知る人ぞ知る秘境の数々を見学しました。

鋸山を“庭”と称する金谷ストーンコミュニティ代表の鈴木裕士さん案内のもと、富津館山道路近くに入口のある「車力道」の周辺を中心に、道なき道や急激な階段を行くハードなルートを辿りました。

同団体のサポートをしている女性スタッフの髙橋綾子さんも同行し、鋸山の歴史を体感しながら学びました。

案内役は、金谷ストーンコミュニティ代表の鈴木裕士さん=1月26日

鋸山は石切場跡である垂直に切り立った岩壁が多数あるのが特徴です。

鋸山から採れる石材「房州石」は、主に幕末から昭和60年にかけて産出され、大正時代には年間56万本が出荷されていたとか。

昭和33年以降は機械化が進み、生産性が飛躍的に向上。1日ひとりあたりの採石数8本だったところが、80本にもなったそうです。

岩壁に猫の彫刻

「猫丁場」に彫られた猫の彫刻

車力道とは石切場から切り出した房州石を「ねこ車」という手押車に乗せて麓まで運ぶために作られた道です。鈴木さんらが約15年前、観光のために泥で埋もれていたこの道を整備し、復活させました。

車力道の途中で逸れ、急斜面を登ると、石を手作業で切り出していたと思われる石切場跡に着きました。

なんと岩壁には、かわいらしい猫が掘られています。だから猫丁場と呼ばれているのですね。猫の鞠と首の紐には、ほんのりと赤みがあり、着色されていたことがうかがえ、遊び心を感じます。

この場所からは富津市方面を望むことができます。

「猫丁場」の岩壁の様子(写真左)と、「猫丁場」から富津市や東京湾方面を望む風景(写真右)

今にも崩壊しそうな洞窟

石切場跡である「洞窟」の入り口には、切り出した石を積み上げた柱が天井の岩を支えている

車力道をさらに登っていくと、レンガのように石を積み上げて天井が崩落しないよう支えている洞窟があります。

車力道沿いなので分かりやすい場所にありますが、危険なので立ち入り禁止となっています。今回は特別に撮影することができました。

現在のように労働に関するルールなどない時代、石切職人たちが良い石質を求め、後先考えず掘り進めてしまった結果、複雑な形の空洞が出来てしまったようです。

絶妙なバランスで保たれている(?!)「洞窟」の中の様子

命がけで作った絶壁階段

急斜面に作られた「絶壁階段」を登る鈴木さんと髙橋さん。息が上がり、言葉数が少なくなる

車力道から「地球がまるく見える展望台」へ向かいます。途中、急斜面に作られた絶壁階段があり、階下を見下ろした時の眺望はとてもスリリングです。

鈴木さんら金谷の人たち数人が2000年頃、草木が茂る急激な斜面だったこの地を、命がけで登って調査し、階段を作る計画をしたのだそうです。

登っていると、体力が消耗し足腰の筋肉が震えますが、人の手で作られたこの階段や、設置された手すりの有り難さを感じずにはいられません。

また登りきった後に、同展望台から眺める風景は爽快で、疲れが吹き飛ぶほどです。

「地球がまるく見える展望台」から望む東京湾の入り口の浦賀水道。その先には三浦半島が見える

高さ96メートル ラピュタの壁

見ているだけで足がすくみそうな絶壁「ラピュタの壁」

鋸山といえば「地獄のぞき」が有名ですが、「ラピュタの壁」も負けていません。

最大96メートルの大垂直面がそびえ立つこの壁には、石を切り進んだと思われる四角い窓のような穴がぽっかり空いています。まるで天空を舞っている錯覚に陥りそうです。

ラピュタの壁を見学できる場所には数年前まで柵がなく、危険だったため、秘境中の秘境でした。現在は案内看板が設置され、展望台として眺めを楽しむことができます。


※落石や岩の崩落、滑落などの危険がある場所の詳細は公開していません。

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