東金市の城西国際大学には毎年春と秋に大勢の留学生が入学し、大学近くでアパート生活をする。そして夏休みの時期にはインターンシップで専攻に近い分野の日本の会社やお店でシゴト体験をして、文化を学び職業観を養うというプログラムがある。
メディア学部の李さん(21)と庄さん(21)の訪問先は東金駅の近く、商店街の中にある街波通信社のお店。

昨年の9月に来日してもうすぐ東金で暮らして1年になるという二人でも、じつは商店街は縁遠い。コンビニやスーパー、ホームセンターやドラッグストアなどがもっぱらで、普段の買い物に商店街を利用することはない。店員と言葉を交わす必要もないから楽だけど、学生以外の日本人の知り合いはなかなかできない。

持参したノートパソコンを開くと(当たり前だが)モニターの中はぜんぶ中国語。印刷物の制作をしている街波通信社でのシゴトとなると言葉の壁は致命的だ。
日本に来る留学生の多くは母国で日本語を勉強してきている。それでも話し言葉と書き言葉は違う。わずか1週間足らずのインターンシップでひたすら日本語の作文をするのではつまらない。そこで、じきに来日する後輩中国人留学生たちのための「中国語による東金
暮らしガイドマップ」を作ろうという話になった。
まずはカメラを持って通りを散策。これまで気がつかなかった昔ながらの建物や土蔵がたくさん建ち並んでいることに気付く。八鶴湖や日吉神社など、一般に宣伝されているところへはひととおり訪れたことがあった彼女たちだったが、初めて訪れる商店街のお店は創業100年を越すお店が何軒もあったり、職人の仕事が眼の前で見ることができたりという、ここでは当たり前の日常の姿に興味津々で帰る時間になってもなかなか戻って来ない。
「1年も住んでいたのに全然知らなかった!」

東金の町は線路を挟んで東側は戦後に開発され、国道のバイパスが敷かれたりショッピングセンターができたりして作られたもの。そして西側は自然や歴史が豊かで神社や古い町並みを楽しむことができる。線路を挟んで綺麗に特長がわかる。彼女らは東金の町のもっともユニークな部分を見ることができた。そして留学生の多くがせっかく東金に住んでいるのに古くからある東金の町を見ることも、町の人と話すこともなく母国に帰っていくことを「もったいない」と感じた。

おりしも、東金商店街ではこの古き良き東金の商店街を訪日外国人にも親しんで貰おうと数年前から「とうがね国際カイギ」という国際交流イベントなどを開催したりして試行錯誤をしている最中で、城西国際大学の留学生が留学生のための中国語マップで商店街を紹介してくれるのは大歓迎である。

インターンシップの中日、8月の第3土曜日は東金最大のお祭り「YASSAフェスティバル」がある。来日したのは昨年の9月だったので、ショッピングセンター「サンピア」前の道路を歩行者天国にしてたくさんの出店やステージイベントなどを初めて見て楽しんだ。
いよいよインターンシップの終盤、彼女たちが話し合って決めたテーマは
「你眼前的东金(あなたの目の前の東金)」と「隐藏起来的东金(隠れている東金)」。駅を挟んで東側の生活マップと西側の見どころマップを作ろうという話になった。
中国語が通じる病院や東京、九十九里海岸への時刻表、タクシーの電話番号など、実際に自分たちが考える「1年前にあったら良かった」印刷物を工夫して制作する。YASSAフェスティバルの写真レポートも盛り込んだ。

そうしてついに地図が出来上がった。二人がマップづくりに取り組んだ街波通信社「Copy & Printshopまちなみ」は今年8月、認定外国人観光案内所(パートナー)に登録承認された。マップの内容は留学生の為に作ったものだが、東金商店街を紹介する数少ない外国語の印刷物をプロデュースすることになった。
1枚の印刷物が彼女たちの留学生活の思い出になり、素敵なおみやげ話のひとつになったことは間違いない。

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