ブルペンでキャッチングの指導をする伊東監督(右)

 晴天の続く順調なキャンプだった。最終日2日前、伊東勤監督は練習前にグラウンドに選手を集めた。ここまで練習前の集合では担当コーチに任せ、輪の外で見守り、あえて言葉を発することはなかったが、終了を目前に控えて全員の前でメッセージを伝えた。青空の下、切り出した。

 「けがなく、しっかりと練習をしてくれた。やりたい練習は、ほとんどできた。順調だった。ここからは試合が多くなり、練習に割ける時間は減ってくる。その中で自分たちの置かれている状況を考えながらそれぞれが練習に取り組んでほしい。ゲームでは、ふるいにかける作業となる。結果を出せるように準備をして、どんどんアピールをしてくれ」

 キャンプスタートから競争を選手たちに求めた。遊撃レギュラーで昨年のベストナインを獲得した鈴木大地内野手を二塁にコンバート。空いた遊撃の座を複数の若手に争わせた。その他の野手のポジションもレギュラーと認めるのは昨年の首位打者の角中勝也外野手のみ。とにかく競わせた。投手陣もエース格の数人を除くと限られた枠を巡って、激しいアピール合戦を繰り広げさせた。

 「いつもより競争意識が高かったね。選手たちから感じるものがあった。今までとは違うね。競争が前面に出ている。チームとしては絶対に必要なことだ」

 グラウンドでライバルたちを蹴落とそうと必死になる選手たちの姿を指揮官は頼もしく、見つめた。そして手応えを感じた。チームが活性化している証しであるこの感触をさらに確実なものにしたい。だから、選手たちの前でここから始まる実戦でのさらなるアピールを促した。

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 特に強く改革を求めたのは走塁だ。キャンプから、常に先の塁を狙う意欲と姿勢を選手たちに要求した。2016年シーズンを戦った中でファイターズ、ホークスの上位2チームとの大きな差の一つが走塁だと分析している。攻撃的な走塁。猛獣が獲物を襲うような、食らいつく走り。だからこの期間の走塁練習では多少、無謀と思えても次の塁を目指すことを指示した。

 「打って単打だと決めつけて、一塁ベースで足を緩めているようでは駄目。何が起こるか分からない。今は失敗が許される時期なのだから、どんどん次の塁へ走ればいい。その中で自分の走塁の可能性を見つけてほしい。感覚を研ぎ澄ませてほしい」

 安打で二塁まで狙う姿勢。一塁から、ヒット1本で本塁を襲う気概。勝手に無理と決めるのではない。相手が警戒し、恐れあがるような走塁を目指す。それこそが今年のスローガンのサブタイトルにある「限界を超えろ!」の意味合いの一つでもある。限界を決めず、まだ行ける、もっと行けるという姿勢を出してほしいと願っている。

 「こちらが走ってもいいとサインを出しても、行く勇気がないことがある。失敗をしてしまうのではないかという悪い結果を先に考えてしまってちゅうちょしてしまうのかな。今年はそこを乗り越えてほしい。失敗を恐れずに、自分の限界を突き破る勇気をもって駆け巡ってほしい」

 競争原理が生まれつつあるチームの中で、走塁面での革命が起こることを指揮官は目指している。それこそが17年の限界を超えて戦う姿そのものだ。

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 2月21日、18日間に及んだ特訓の日々を打ち上げる。限界を超えるというテーマの下、汗を流した毎日。成果がハッキリするのは秋まで待たないといけない。それでも例年にはない強い手応えが指揮官にはある。

 「下馬評なんて低くてもいい。それをなにくそと思ってマリーンズは闘う。限界を超える原動力にする」

 雲一つない空を見上げながら指揮官は力強く口にした。まあ、見ておけ。世間をアッと言わせてみせると言いたげな自信にみなぎる表情だった。新生マリーンズは限界を超えたプレーでファンを魅了し、栄光をつかみとる。南国・石垣島で研ぎ澄ました刀のキレ味を見せるのはもう少し先の話。ただ、徐々に確実に戦闘態勢は整いつつある。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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