9月に木更津港で実証運航される「ぱしふぃっく・びいなす」(木更津市提供)

 大型外航クルーズ船の誘致を目指す木更津市などは9月、豪華客船「ぱしふぃっく・びいなす」による実証運航を初めて実施する。9月18~19日に、静岡県熱海市沖で花火大会を観賞する木更津港発着の船中泊ツアーを企画した。港を生かした街の活性化に取り組む同市は、今回の国内船の実証運航を弾みに、訪日外国人観光客による経済効果が期待できる大型外航クルーズ船の誘致を実現させたい考えだ。

 市によると、ぱしふぃっく・びいなす(全長183・4メートル、2万6594トン)は、国内の客船で2番目の規模を誇る。千葉県内では館山市で同船の寄港はあるが、木更津市では初めて。

 実証運航は、9月18日正午に木更津港を出港、同日夜に「熱海海上花火大会」を船上で観賞し、翌19日午後2時に帰港する。船中1泊4食付きで、料金は客室のグレードによって1人2万4千~12万8千円。定員は先着順460人。

 大型外航クルーズ船の誘致のため、昨年5月に同市や関係団体で発足させた「みなとまち木更津プロジェクト推進協議会」が実証運航を実施する。同船をチャーターし、歓迎式などのイベントも用意する。

 上海で売り込み今回の実証運航は国内船だが、数百から数千人規模の外国人観光客が乗船する大型外航クルーズ船は、寄港地での経済効果が期待されている。政府は、訪日クルーズ旅客を「2020年までに500万人」とする目標を設定。全国的に誘致活動が行われており、木更津市の取り組みもその潮流の一つだ。

ぱしふぃっく・びいなすが接岸予定の水深12メートルの岸壁。普段は自動車運搬船などが利用する=4月14日、木更津市

 木更津港の「木更津南部地区」には、大型船の寄港が可能な長さ500メートル、水深12メートルの岸壁があり、同市は昨年度から、国の地方創生交付金を活用して誘致に乗り出した。今年2月には渡辺芳邦市長らが、外航クルーズ船の拠点である中国上海市の3運航会社を訪れ、木更津港のセールスポイントを説明した。

 上海から日本を訪れる外航クルーズ船は、5日間で九州など西日本を巡るツアーが多く、日数を延ばして木更津港に寄ってもらう狙いだ。
 東京湾内では、東京港や横浜港に外航クルーズ船が寄港しているが、県内では13年の千葉港での船内見学会を除き、その実績はない。横浜港では、横浜ベイブリッジがあり大型船が直接入れない課題があるといい、渡辺市長は20年の東京五輪を見据え、「東京港や横浜港だけでは足りない。営業に力を入れたい」と木更津港の必要性を訴える。

 目標は地域活性化国交省は、木更津港で大型クルーズ船を受け入れるため、係留時にロープをつなぐ係船柱と、クッションとなる防舷材の整備を決定。18年度までには完成予定で、「ぱしふぃっく・びいなす」よりも大きな船の寄港が可能となる。

 こうした国の動きも踏まえ、市の担当者は「誘致が現実的になってきた。今回は国内船だが、最終目標は大型外航クルーズ船で訪日観光客を受け入れ、地域を活性化させること。今後も途切れることなく活動を続けたい」としている。

 今回のツアーの申し込みは6月1日から、日東交通、電話0120(210)444(平日午前9時~午後5時)で。

(かずさ支局 武内博志)

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