秋季キャンプで「ここぞという場面の一打、球際のプレーは練習から100パーセントでやっているから生まれる」と全ての練習で全力を求めた井口監督

 闘う態勢は新段階に入った。就任して2度目の秋季キャンプ。井口資仁監督がテーマに掲げたのは「100パーセント」だった。だから、キャンプ前日の全体ミーティングで選手たちに強い気持ちで伝えた。

 「みんな、どこかで力をセーブしていないか。練習も100パーセントでやってくれ。練習で100パーセントの力を出せないヤツが大事な試合で100パーセントの力を発揮できるわけない。せいぜい70パーセント、いや60パーセントだ! やり切ってくれ」

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 現役時代、つねに全力でグラウンドに立ってきた男は若い選手たちに練習でも全力で挑む必要性を説いた。「練習のための練習はいらないんだ」。ユニフォームを着てグラウンドに立てば、たとえ公式戦でなくても生きるか死ぬかの戦い。仲間と競争し、自己アピールし勝ち抜く。そんな追い込まれた戦いの日々の中でこそ人は成長する。組織は強固のものとなる。1年目から競争原理をチームに注入したが、さらなる激化を求めた。シーズン中盤まで首位をうかがえる位置につけながら大失速した2018年。弱さの一つに「100パーセント」の欠如を感じ取り、猛省した。だから新たな戦いへの序章となる秋季キャンプでは、全ての練習で全力を求めた。余力を許さなかった。

 「ここぞという場面の一打、球際のプレーは練習から100パーセントでやっているから生まれる。アップもランニングも100パーセントでやってもらった。強いスイングに、強い投球を求めた」

 量を重視すれば選手たちはどうしても力を残そうとする。質を極めるため秋季キャンプでの全体練習メニューは昨年より短く設定した。そして参加選手も絞り、若手を中心に少ないメンバーを選定。目を光らせ会話を繰り返した。今にも倒れ込みそうな鍛錬が続いた。うれしかったことがあった。ヘトヘトになった選手たちは指示された練習が終わると自発的に体を動かしていた。自分の欠点を見つめ直すように室内練習場に移動し、コツコツと反復練習を繰り返していた。午前9時開始の全体練習。その1時間より前に選手たちはウエートルームに現れ筋トレも行っていた。誰もが悔しかった1年。気持ちを共有できているのがうれしく、新たなシーズンへの光明を感じた。

 「失速して5位に終わったという事実を真摯(しんし)に受け止めたい。どうしたら立て直せるか。新戦力も現有戦力の底上げもいろいろな部分を含めて自分なりに考えていきたい。来季を見据えながらこの新しいスタートでしっかりとした土台をつくりたいと思った。選手たちはそんな中で力を出し切って練習をしてくれた」

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 シーズン中、指揮官は野球漬けの日々を送った。ナイターの練習前にネット配信される2軍戦を必ずチェックするのが日課だった。ナイター後はその日の試合をもう一度見直し、反省を繰り返した。朝、起きるとチャンネルを合わせるのは決まってメジャーリーグだった。「今年が一番、野球を見ていたなあ」と1年目の戦いの日々を振り返り、思わず笑った。そこには現役時代以上の勝利への空腹感があった。だから寝ている時も野球を考えた。反省を繰り返した。全力を出し切る選手たちに少しでも勝利の味を知ってもらいたい。秋季キャンプを終えた指揮官の目はもうすでに先を見据えていた。時間には限りがあるが、心は無限。次から次へと新たな策が頭を巡っていた。

 「選手たちには、このオフはしっかりと過ごしてほしい。ここで満足しないで、緩むことなく過ごしてほしい。キャンプが終わって明日から休むのではなく、オフも100パーセントの気持ちで過ごしてほしい。オレも勝てるチームをつくるため色々と考えていく」

 選手たちには2月1日キャンプインの日の紅白戦実施を伝えている。初日から全員参加の実戦のゴングを鳴らし、状態を見極めるつもりだ。秋のキャンプが終わり、ファン感謝デーも終わり、いよいよオフシーズンに入る。しかし2年連続で下位に沈んだマリーンズは休まない。選手は体を磨き、将は策を巡らす。2019年。上だけを目指す1年。真っ直ぐ上へ、上へ。マリーンズを最高の勝利者とするため全力での躍動の日々を続ける。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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