暮れに切り出した孟宗竹を、竹ヒゴに加工。上総掘り、冬の風物詩

2006年、国の重要無形民俗文化財に指定された千葉県上総地域発祥の深井戸掘り工法「上総掘りの技術」。
その技術保持者である鶴岡正幸先生(三代目井戸掘り職人)のもと、技術保持団体に指定された「上総掘り技術伝承研究会」(事務局・袖ケ浦市郷土博物館)。
重機も燃料も使わず少人数で効率よく掘れるシンプルでエコな技術は、今も世界各地で水を得るため活用されています。
その技術を守るため、ボランティアが昔ながらの掘削技術を学ぶ活動の様子をご紹介します☆彡

2018年が明けてからこっち、上総地域もいつになく寒さが厳しい中で、暮れに採ってきた孟宗竹を掘削に使う竹ヒゴに加工する作業が続いています。
切り出してから時間が経ってしまうと、竹が乾いてどんどん硬くなってきて手作業で削るのが大変になるので、なるべく早く加工して倉庫に保管しておきたいのです。

この日の朝は、郷土博物館のエントランス前も立派な霜柱がザックザク。未明にかなり冷え込んだようですが、昼間は風もなく日なたはポカポカ。竹を削るため、小刀を持つ手に力が入ると汗ばむほど。7mもの長さの竹をは少々カーブしていて、まっすぐに固定しながらの作業は座りっぱなしとはいえ、結構な力仕事なのです。

セン(銑)が決め手!鍛冶屋さんに特注の小刀

竹ヒゴ加工の主役は、セン(銑)という小刀です。かつて桶屋さんなどで使われていた、両手で持つスタイルの特殊な刃物で、普通のお店ではまず売られていません。鍛冶屋さんに注文しないと手に入らない、レアな工具なのです。

センは、両手で持って削るほかに片手とお腹にあてる、また片手と両足で挟んで体に固定し、竹の方を動かして削っていくのがスタンダード。片刃なので、表と裏で削り具合を調節することもできます。

センやナタ、カンナで竹を厚さ1cm、幅2cmに加工していくと、大量の削り屑が山のように…。

幅定規、厚さ定規で同じサイズに加工しないと使えません!

7mの竹ヒゴをつなげて、井戸孔の中に下ろしていって掘削し、掘り鉄管が掘り屑でいっぱいになればヒゴグルマで巻き上げます。一連の作業は、全ての竹ヒゴが同じ太さと厚みであることが大前提。専用の定規で、サイズを確認しながら仕上げます。

削り終えたら、丁寧に面取りして完成です。理想は1人が1日かけて1本。

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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
現在、モーレツにメンバー大募集中!
見学やお問い合わせはetofumiya●r8.dion.ne.jpまで。
※●は@(アットマーク)

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