月出工舎で野外公演する舞踏団「トンデ空静」と和楽器演奏集団「切腹ピストルズ」

千葉県市原市南部の里山で5月14日まで開催中の現代アートの祭典「いちはらアート×ミックス」(以下、アートミックス)。エリア別に紹介してきたレポートの第8回目は「番外編」として、舞踊団「トンデ空静」らによる野外舞台公演「ばけのかわ」の千秋楽(4月30日)をお届けします。

会場は、アートミックスの7エリアの一つである月出工舎(旧月出小学校)校庭奥の高台。同工舎の総合ディレクターをつとめる芸術監督の岩間賢さんが2014年、大雪で倒れた大木を利用して作った観月の舞台です。

この舞台の原作者で舞踏家の松原東洋さんは、トンデ空静を率いて2014年のアートミックスにも出演。当時、憧れを抱いていたことから、和楽器を奏でる謎の集団「切腹ピストルズ」にオファーを出し、共演を果たしました。

岩間さんは前回のいきさつから、ばけのかわは、トンデ空静と切腹ピストルズの出演を前提で進めたのだそうです。

トンデ空静に切腹ピストルズ、サックスやドラムなどのバンドメンバー、飛び入りも合わせ総勢約30人が出演。観客は、定員を大きく上回る約340人。おひねり制なので、ちばとぴ!編集部員も、あらかじめお札や小銭を用意して鑑賞にのぞみました。

インパクト強し!白塗り姿の演者たち

切腹ピストルズの演奏で白塗りの演者が踊る

ばけのかわは、全部で10のシーンで構成された約1時間半の演舞。

松原さんは、この作品で表現したかったことを「木の空(うろ)に引きこもって再生する様」と話しています。神隠しのように子どもが家出し、隠れ、次の日に出てくる。再生して良くなる前提はなく、ただ再生・リバースするさまを表したかったそうです。

校舎の屋上で踊るタヌキ

強い日差しの中、全身や顔を白く塗ったインパクトの強い格好の演者や、緑に塗ったカッパ、着ぐるみのタヌキなどが姿を現し、全身を使ってパフォーマンスを披露。からだを大きく揺らしたり、地面を這ったり、転がったりするシーンもあれば、鳥の声が聴こえるほど静かな中、ゆったりとした動きを見せる場面もありました。体を張った究極の動きは、人間の奥の奥の何かを表しているのでしょうか。

芸を披露し金品を乞う「門付け」の場面では、野良着姿で菅笠を被り、顔を白と黒に塗った切腹ピストルズが登場。大太鼓に平太鼓、エレキの三味線、篠笛など、お囃子のリズムで迫力の演奏をしました。

大騒ぎで、おひねりゲット

終演後、折り紙に包んだおひねりをもらい喜ぶ演者

クライマックスへ近づき、気が付くとタヌキが校舎の屋上に現れました!

最後は観客も一緒になって、太鼓ドンドン、すりがねチャンチャン、わちゃわちゃ歌って踊って、てんやわんやの大騒ぎ。

この大騒ぎの最中、肝心のおひねりをゲットするため観客席へ走り寄り、赤い袋を差し出す演者たち。ぽんぽん入れられ、おひねりで膨らむ袋。演者も表情が緩みます。

「市原の人は慣れている」

「トンデ空静」を率いる松原東洋さん

トンデ空静のメンバーらは、4月14日~23日の10日間、市原市五井の養老川臨海公園から大多喜町麻綿原にある水源まで約100キロメートルを、門付けをしながら行脚する「ちょぼくれ」を開催しました。

松原さんによると「市原のお客さんは形式を知っていて、おひねりが発達している」とのこと。なんでも門付けして市原市の人がくれるおひねりは、「大概きっちり1000円」なのだそうです。

どういった理由があるのか気になりますね。

さらに市原の人への印象を伺うと、ちょぼくれは野宿を基本としているが、宿泊させてくれた人の食事の振る舞いが良く、痩せると思っていたのに、むしろ太ったのだそうです。

「30日はアートミックスでやってきたことの集大成」として取り組まれたそうで、松原さんはやりきったという充実感溢れる表情を浮かべていました。

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