現在、上総掘り技術伝承研究会は竹樋の挿入に向けて掘削を行っています。
通常、伝統的な上総掘りであっても、樋は塩ビ管にナイロンのメッシュを巻いたものを入れるのが一般的なのですが、今回はあえて昔ながらの真竹にシュロ皮を巻いた樋を手作りし、挿入するための作業にチャレンジしています。
真竹を切り出し、火で炙って真っ直ぐにし、継ぎ手を作るための竹樋定規(樫の木の原木から図面をもとに製作)を調達し、水を取り込むためのスリットを入れ、そこに巻くためのシュロ皮を、シュロの木からはぎとって1枚ずつ乾かしておき、針金でしっかり止める。
竹樋17本で長さの合計は103,84m、掘削予定80mには14本(78,69m)で足りる計算です。
現在の掘削深度は74.40mなので、あと6m弱を掘ったのち、アナケズリ作業で井戸孔を拡げてから、晴れて竹樋挿入となります。
なんと1日でやってしまう作業とのこと。鶴岡先生以外のメンバーは未経験ですし、たぶん全世界で今、再現しようとしているのは私たちくらいだと思うので…うまく完成させられるのか、ドキドキなのです。

竹樋製作は、竹やシュロ皮という自然素材の特性を活かした作業。ともに水に強く、空気のない地中では塩ビ管以上に長持ちするといわれています。

白黒の写真は、以前製作した上総掘りパンフレットの表紙に使われた、昭和30年代の竹樋挿入前に撮影されたもの。中央でしゃがんでいるのは、若き日の鶴岡先生。足場板の上に竹樋を立てて並べ、順番に井戸孔に入れていくのです。

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袖ケ浦市郷土博物館に拠点を置き、国指定の重要無形民俗文化財に指定された「上総掘りの技術」の技術保持団体である「上総掘り技術伝承研究会」と、技術保持者である3代目・井戸掘り職人の鶴岡正幸がお送りする、上総掘りのお知らせチャンネルです。
千葉県の上総地方で誕生した伝統的な手掘りの深井戸掘り工法「上総掘り(かずさぼり)」。少人数の人力だけで、重機や電力を使わずに数百mの深さまで井戸を掘ることができるこの技術で、かつて新潟の油田や別府温泉なども掘られました。
現在では水不足に苦しむアジアやアフリカ諸国で、上総掘りの技術を活用した支援や国際交流を行う事例が増えています。
当会でも年に2回、JICAつくばセンターから海外の土木・治水系省庁の職員らを対象に、上総掘りの掘削体験と見学ツアーを受け入れています。
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